軍用艦艇としてのトロール船
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/25 07:39 UTC 版)
「トロール船」の記事における「軍用艦艇としてのトロール船」の解説
詳細は「w:Naval trawler」を参照 第一次世界大戦および第二次世界大戦中、多くのトロール船が徴用され掃海艇として使用された。これは掃海具を海中に投入して曳航し、海底や調定された深度をさらうという掃海活動がトロール船の漁法に似ており、トロール船の設備が転用できるほか、乗組員も特別に訓練を積まずともその種の作業に慣れていたからである。 これらの徴用掃海艇は哨戒任務にも従事し、イギリス等では「掃海艇としての能力を持つ近海用哨戒艇」の艦種区分の一つに「哨戒トローラー(Patrol trawler)」もしくは単に「トローラー(Trawler)」という名称をつけている。これには、徴用トロール船のほか、トロール船の設計を下敷きにして最初から軍用艦艇として建造された、漁船としての装備や能力のないものも便宜上分類された。これらトローラーは北大西洋での対潜哨戒・掃討、航路警備や掃海作業に従事し、多くの戦没艇を出しつつも一定の成果を挙げて活躍した。中には、戦後民間に払い下げられて漁船に改装され、名の通りの本物のトロール船になったものもあった。同種のものとして引き網漁船を下敷きにした「ドリフター(drifter)」もあった。 冷戦期には、いくつかの国がトロール船に電子機器を積んでスパイ船に仕立て、敵国の電子情報の収集(シギント)にあたった。特に、ソビエト海軍は漁船として建造されたものを改造したのではなく、最初から“一見漁船のような外観”の「電子情報収集艇」を建造し、世界各地で情報収集任務に当たらせている。
※この「軍用艦艇としてのトロール船」の解説は、「トロール船」の解説の一部です。
「軍用艦艇としてのトロール船」を含む「トロール船」の記事については、「トロール船」の概要を参照ください。
- 軍用艦艇としてのトロール船のページへのリンク