車高規制
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/07 05:55 UTC 版)
近年、さらなる物流経費の節約や輸送効率の世界的な流れの中で年を追うごとに急増し続けている、いわゆる『背高コンテナ』(海上コンテナ#ハイ・キューブ・コンテナを参照)を現在、日本国内で使用されているコンテナ輸送専用シャーシに積載した場合、コンテナを直接載せる荷台部分となるシャーシの最大地上高、約1,200mm(ミリメートル)を含めれば約4,100 mmとなり、日本の道路交通法で定められた通常の車高規制値である全高3,800 mmを超えてしまう。しかしこの種のコンテナを積載した状態で、高さが3,800 mm以下となる超低床車体の開発が不可能(荷台を車輪以外の部分で落とし込み式として全高を下げることは可能であるが、40 ftの場合に牽引車体全長が現行の車両規制値を超過する)であることや、海上と陸上を一貫輸送するコンテナの性格上、前項でも触れたように近年、国際的な輸送可能重量に改善された経緯もあって貨物を安易に分割できない現状などの事情から、道路交通法第57条3項の規定の対象としない特例措置として取り扱うこととなり、事前に定められたルートに限り通行が可能'なった。 大型背高コンテナ積載車の通行が必要とされる「幹線道路網」は2006年6月現在、日本国内で約29,000km(キロメートル)とされており、そのうちの560 km 47区間で一時期、通行が制限されていた。これについて国土交通省は、2010年代半ばまでに解消する計画を持っていた。 その後、整備が進んだ結果、2018年(平成30年)3月に「重要物流道路制度」が創設された事により、道路管理者が道路構造などの観点から支障がないと認めて指定した区間に限定して、道路を通行する車両の制限値を引き上げることにより、一定の要件(国際海上コンテナ輸送中を証明する書類の携帯や、ETC2.0対応車載器の搭載及び登録など)を満たす40 ft背高コンテナ車にかぎり、通常は申請して認可されるまでにほぼ一ヶ月程度を要していた『特殊車両通行許可』を不要とする事となり、一段と背高コンテナ輸送が盛んになってきた。これら一連の改善により、国内での重要物流道路(約 35,000 km)のうち、2019年(令和元年)7月31日より以下の総延長距離約 30,000 km区間において、40 ft背高コンテナ車の通行が可能となった。 高速道路 約 12,200 km 直轄国道 約 15,000 km 地方管理道路 約 2,800 km ※高速道又は、国道から枝分かれして、空港・港湾・拠点倉庫等へのいわゆる連絡道路的な役目を担っている。 '※ 3種類道路の合計 約 30,000 km
※この「車高規制」の解説は、「日本のコンテナ輸送」の解説の一部です。
「車高規制」を含む「日本のコンテナ輸送」の記事については、「日本のコンテナ輸送」の概要を参照ください。
- 車高規制のページへのリンク