跡地利用への動き
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 14:37 UTC 版)
2010年6月に、多摩テック跡地を明治大学が買収し、住宅地に隣接し手狭となった世田谷区八幡山の明治大学ラグビー部など体育会各部の練習場や合宿所を移設し、スポーツ科学部を新設して校舎を設立するなど「(仮称)明治大学スポーツパーク」として利用する構想が明らかになった。八幡山グラウンドなどの売却が明治大学評議員会に承認され、三菱商事を共同事業者として日野市を中心に地元自治体などとも協議の上で2014年から利用を目指す予定だった。 敷地内にキンランなど絶滅危惧種の群落やオオタカの営巣地などが確認され、東京都自然保護条例(東京における自然の保護と回復に関する条例)にもとづく東京都自然環境保全審議会の審査が長期化し、2013年5月に建物の縮小など計画案変更を条件に認可されたが、着工予定は大幅に遅れた。 東日本大震災の復興事業や2020年東京オリンピックの開催決定から建設資材や人件費が高騰し、経費が当初予定の1.7倍に達する見込みとなったため、2013年10月までに明治大学評議員会は事業計画撤回を決定した。明治大学は10月中旬に世田谷区に対し、八幡山グランド売却にともなう都市計画の変更を中止するように求めた。 日野市は着工予定の9月を過ぎても開発許可申請が行われない理由の説明を明治大学に求め、事業計画中止が検討されていることについて10月26日に抗議文を送付した。11月6日に日高憲三明治大学理事長が日野市役所を訪問して大坪冬彦日野市長に事業計画中止を申し入れたが、日野市側は都市計画の変更など手続きを実施しており一方的中止は認められないと反発して事業継続を強く求めた。 共同事業者の三菱商事は、土地取得に多額の費用を要し、用途は学校にほぼ限定される市街化調整区域であることから、事業の継続か土地の買い取りを明治大学に求めた。明治大学は「三菱商事が契約不履行であった。開発から建物の竣工・引き渡しに至る義務を果たさなかった。」と主張して和解に応じず、三菱商事は2015年3月に、土地代金の立て替え約46億円を含む61億9千万円の支払いを明治大学に求めて提訴、一審東京地裁は2018年4月に明治大学に対し8億円あまりの支払いを命じる判決を下した。
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