質量ごとの特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/18 05:09 UTC 版)
以下の表は、太陽と同じ金属量 (Z = 0.02) で初期質量の異なる星について、主系列 (MS) 、フック (Hook) 、準巨星分枝 (SB) 、赤色巨星分枝 (RGB) での典型的な期間を示したものである。また、各星の赤色巨星分枝開始時と終了時のヘリウム中心核の質量、表面の有効温度、半径、光度も示した。赤色巨星分枝の終了時は、中心核でヘリウムが点火したときと定義されている。 質量(M☉)MS (×109年)Hook (×106年)SB (×106年)RGB(×106年)RGBfootRGBend中心核質量 (M☉)Teff (K)半径 (R☉)光度 (L☉)中心核質量 (M☉)Teff (K)半径 (R☉)光度 (L☉)0.6 58.8 N/A 5,100 2,500 0.10 4,634 1.2 0.6 0.48 2,925 207 2,809 1.0 9.3 N/A 2,600 760 0.13 5,034 2.0 2.2 0.48 3,140 179 2,802 2.0 1.2 10 22 25 0.25 5,220 5.4 19.6 0.34 4,417 23.5 188 5.0 0.1 0.4 15 0.3 0.83 4,737 43.8 866.0 0.84 4,034 115 3,118 中質量星は、主系列や準巨星では質量のごく一部を失うのみだが、赤色巨星ではかなりの質量を失う。太陽に似た星が失った質量は水平分枝に達したときの温度や光度に影響するため、レッドクランプの特徴からヘリウムフラッシュ前後の質量差を求めることができる。また、赤色巨星から失われた質量は、その後に形成される白色矮星の質量や性質を決定する。TRGBに達した星の全質量損失は、0.2 - 0.25 M☉程度と推定されている。質量損失の大部分は、ヘリウムフラッシュ前の最後の数百万年以内に失われたものである。 ヘリウムフラッシュ前に赤色巨星分枝を離脱するような大質量星の質量損失は、直接計測することがより難しいものとなる。ケフェウス座δ星のようなケフェイド変光星は、連星か脈動星かのいずれかであるため、現時点での質量を正確に測定することができる。進化モデルとの比較から、このような星の質量は約20パーセントも失われていると思われ、その大部分はブルーループ、特に不安定帯で脈動している間に失われているようである。
※この「質量ごとの特徴」の解説は、「赤色巨星分枝」の解説の一部です。
「質量ごとの特徴」を含む「赤色巨星分枝」の記事については、「赤色巨星分枝」の概要を参照ください。
- 質量ごとの特徴のページへのリンク