賈家一門
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 02:31 UTC 版)
宝玉の曾祖父賈源とその兄賈演は皇帝に従って戦功を立てる。それぞれ栄国公と寧国公に封じられ、栄国府と寧国府の初代当主となる。宝玉の曾祖父の世代名前は水部の字を付け、祖父の世代名前に代の字が入り。宝玉の父の世代は攴部の字を付け、宝玉同世代は玉部の字を付け、宝玉の甥の世代は草冠の付く名前が命名されている。また、名門として史氏・王氏・薛氏とともに「賈史王薛」(四大家族)と総称されている。 賈母 (かぼ) 史太君。栄国府の第二代当主・賈代善の妻(未亡人)。宝玉の祖母(宝玉の父賈政の母)。一族の最長老で最高実力者。孫の宝玉と外孫娘の黛玉を溺愛しており、賈政が宝玉に厳しくできないのは賈母を恐れてのことである。信心深い。@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}平凡社ライブラリー版[誰によって?]では「後室」と訳されている。 賈赦(かしゃ) 栄国府の第三代当主。賈母とその夫賈代善の長男で、宝玉の伯父。賈璉・迎春の父。好色で賈母も「いい年をして」とあまりよく思っていない。賈母お気に入りの侍女を妾にもらい受けようとして大騒ぎを引き起こしたこともある。隠居の身だが、側室を多く置いている。 賈璉(かれん) 栄国府の現当主(第四代)。賈赦の長子で宝玉の従兄。王熙鳳の夫。遊び好きで女色を好み、口八丁手八丁で召使いの妻と関係を持つようになった。妻より優しい性格だが、才能は妻に及ばず、太刀打ちできない。 賈政(かせい) 賈母とその夫賈代善の次男。賈珠・元春・宝玉・探春・賈環の父。几帳面で謹厳な人物で、宝玉が勉強に熱心でないことをよく思っていないが、官職が多忙であることと賈母が宝玉を溺愛していることから半ば放任状態。 王夫人(おうふじん) 賈政の妻で、賈珠・元春・宝玉の母。自分の末子の宝玉を溺愛し、宝玉に不利な人を邪魔者として排除する。物語の時点では仏教への信仰心が篤く、俗事には関心を示さないが、劉ばあさんによれば若い時は王熙鳳のような性格を持つ。 賈環(かかん) 賈政の庶子。宝玉の異母弟。同腹の姉の探春とは正反対の愚劣の人物である。 賈敬(かけい) 寧国府の第三代当主、寧国府の第二代当主・賈代化の子。賈珍と惜春の父。物語の時点では隠居の身で、郊外の道教寺院で仙人修行に凝っている。俗塵を嫌うと称して自分の誕生祝いの宴会にも出て来ないほど。 賈珍(かちん) 寧国府の現当主(第四代)。賈敬の子。威烈将軍の職にあるが戦争に行っている様子は全くない。こちらも好色漢で息子の嫁や妻の妹にまで手を出している背徳的な人物。なお、系図上の世代からいうと宝玉と同世代になるが、この世代の賈家の男子は皆名前に玉の字が入るように命名されている。賈珍は既婚の息子がいる年齢なので、宝玉とは親子ほども年が離れているうえ親戚としても祖父同士が従兄弟という遠い関係だが、中国の大家族制の慣習上、宝玉は賈珍を「兄さま」と呼ぶ(平凡社ライブラリー版2巻P85[誰によって?])。 賈蓉(かよう) 賈珍の子で秦可卿の夫。宝玉より年上であるが、宝玉の甥の世代に当たる。父と同じ程度の好色漢であった。
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