象徴、宗教的儀式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/13 14:05 UTC 版)
少なくとも新石器時代後期以降には、精巧に作られた戦斧や丁字斧などは宗教的な重要性を持っており、またその所有者の地位の高さを示したと考えられている。ある種の斧は、ほとんど磨耗の跡が無い。新石器時代中期の柄の無い斧の刃だけが蓄えられたもの(イギリスのサマセット・レベルのように)は神への贈り物だったのかもしれない。 ミノア文明時代のクレタ島では両刃の斧(ラブリュス、labrys)が特別の意味を持っていた。両刃の斧は新石器時代にまで遡る。1998年には精巧に装飾された柄の完備した両刃斧がスイスのツーク、チャムエスレンで見付かった。柄は長さ120センチメートルで、装飾された樺の樹皮で包まれていた。斧の刃は長さ17.4センチメートルで、Gotthard地域で採掘されたアンチゴライトで作られていた。柄は両円錐形の穴を通し、枝角のくさびと樺のタールによって固定されていた。それは初期Cortaillod文明に属する。 ローマの束桿(ファッシ)では斧が斬首する権能を表すという説もある。実際にヨーロッパ諸国では近代まで斧による斬首刑が行われてきた。最期の斧による斬首刑は1900年12月10日にスウェーデンのヴェステロースで執行されたヨハン・フィィップ・ノーデァンドだと言われている。ちなみに、断頭台とは斧による斬首刑を行う場合に斧の下にある木の台のことを指していた。 民間伝承では石の斧が時々雷電であると考えられ、(神話的に)稲妻が同じ場所に2度落ちないと言われている(現在ではこれは真実でないと分かっている)ので、建物を稲妻から保護するために使用された。このために斧の伝播に偏りを引き起こした。 投げられた斧は嵐を近付けない力があると考えられたので、ときどき収穫物を悪天候から守るため、刃を空に向けて農地の中に置かれた。家の敷居の下に直立した斧を埋めると魔女除けになると言われ、またベッドの下に斧を置けば男子の誕生を保証すると言われた。
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