警察の過失と不当な対応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/24 10:17 UTC 版)
「コロンバイン高校銃乱射事件」の記事における「警察の過失と不当な対応」の解説
この事件に関しては、事件前、事件時、事件後と、以下のような警察の過失や不当な対応が問題となった。 (前述の通り)事件前に報告されていたハリスの殺人予告のウェブサイトを、警察はファイルせず、事件後もこの事を隠蔽した。 警察はハリスとクレボルドが銃撃しているとき、現場の状況が十分に確認できていたにも拘らず、ストーン保安官の指揮官決定に従って応戦せずに傍観していた(負傷した教師のデイヴ・サンダースは、他の生徒らが懸命に助けようとしていたにも拘らず、警察の突入が無く、出血多量で数時間後に死亡してしまった)。 警察は犠牲者の遺体を、翌日まで現場に放置した。この事に関して警察側は「犯人らが偽装爆弾を仕掛けた可能性があったため安易に中に入れなかった」と説明しているが、逃げ出した生徒達の証言により偽装爆弾などの可能性は無かった事が示唆されていたことが分かった。 事件後の捜査で、捜査チームの一員であったストーン保安官は、犯人2人の友人であったブルックス・ブラウンを、「犯人らと長いつながりがあった」という理由だけで、長期にわたり捜査対象とし、マスコミにも「ブルックスも事件に関与している」と話していた。その事でブルックスは、事件後の町ではしばらくの間、ひどく容疑者扱いされた。 ストーン保安官は、犠牲者であるダニエル・ロアボーの衣服を、他の犠牲者の衣服を遺族に返していたにもかかわらず、「生物学的有害物質であるため」返却しなかった。そもそも警察には、捜査が終了していない段階で証拠品を返す義務は無かった。 警察が公表した事件の報告書には、いくつもの間違った記述がされていた。そのひとつである、ブルックスが事件前後にいた位置については、ブルックスは「警察が、いかにも自分が怪しいと人々に思わせる為に、わざと位置を間違えて公表した」と、自著に書いている。 警察は、犯人らが事件直前に撮影した、「犯行動機などを説明したビデオ」を長期にわたり公表せず、その事で多くの誤った憶測を広めた。 警察らの調査に不満を感じた生存者や犠牲者の家族などが、事件後に第三者などによる再調査を求め、立法機関の委員会で決を採ったが、これは否決された。これには、事前に警察が委員に圧力をかけていたとの説もある。
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