諸外国のF4F
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/01 14:21 UTC 版)
「F4F (航空機)」の記事における「諸外国のF4F」の解説
F4Fはアメリカ海軍のみならず海外からも注目され、フランス海軍はF4F-3(社内呼称G-36A)を81機発注した。しかし納品前にフランスはドイツに降伏したため、イギリスに供与され「マートレットMk.I」(Martlet:イワツバメの意)として使用された。艦載戦闘機事情が切迫していたイギリス海軍は、さらに「マートレットMk.II」として再発注した。マートレットMk.IIは、アメリカ海軍のものよりも若干手狭であるイギリス空母での運用を考慮して、アメリカ軍向けのF4F-4よりも早く主翼の折り畳み機構が要求されている。ただしエンジンの重量増に加え、機銃を2挺増設したため、自重が450kg増加している。 イギリス海軍は折り畳み翼への変更ための納品遅延を了承、本格的に納品されたのは1941年半ばになってからであった。納品された機体は護衛空母「オーダシティ」に艦載され、船団護衛に活躍、Uボート撃沈やFw200撃墜などの戦果を残した。これにより、潜水艦に対する護衛空母の有効性が証明され、その後の大量配備につながった。また、空母「イラストリアス」にも搭載され、1942年5月に行われたアイアンクラッド作戦(マダガスカル占領作戦)に投入され、ヴィシー政権フランス軍と戦闘を行った。 フランスとイギリス以外には、ギリシアからも30機の発注が1940年11月にあったが、こちらも輸送中の1941年4月にギリシアが降伏。機体は輸送の途上で英領ジブラルタルにあったため、マートレットMk.IIIとしてイギリスがそのまま運用した。この機体はF4F-3Aと同等である。 また、イギリスは武器供与協定に基づき、GR-1820-G250A-3エンジンを装備したマートレットMk.IVを受け取っている。この型はアメリカでF4F-4Bという型式があるように、一応の別型である。ただしアメリカ軍は使用していない。 さらに、イギリスはFM-1型312機を供与されており、これをマートレットMk.Vとして採用している。この型は、1944年1月にワイルドキャットMk.IVに名称変更、番号が変わっているため注意が必要である。 このほか、イギリスはFM-2型を340機供与され、ワイルドキャットMk.VIとして採用した。
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