論文の読み方とIMRAD
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/17 06:31 UTC 版)
「IMRAD」の記事における「論文の読み方とIMRAD」の解説
IMRAD型という考え方(構成方法)を知っておくことで、その構成方法を取っている文章を読む、(あるいはその構成をとることが望まれる)文章を書く上で、構成要素、その役割、それらがどう配置されるべきかについての理解が可能であり、論文を読む上で、とくに論旨を追う上で有益となる。より具体的に言えば、学術論文の構成要素おのおのの役割を判断、把握する上で役に立つ。ひいては、科学的な思考を理解する上で役に立つ。 IMRAD型は、研究者が論文を読む過程での思考の流れとの相性がよい。IMRAD型を用いると研究者が欲しい情報が非常によく分かる。学術論文においてこの構成が好まれる理由はここにある。実際、この書式で書くことによって「主張」(ここでは物理量AとBの間にXXといった相関が見出せるだとか○○といった法則が見出せるといった話)と、「その根拠となる事実」、「根拠となる事実から主張に至るまでの推論過程」が非常に明確になる。また、その主張に対して、「だからどうした」という話も明確になり、どういう問題に対して寄与するのかも分かる。具体的な論文の読み方については人それぞれではあるが、研究室におけるジャーナルクラブ (en:Journal club) などを通じて口伝で教えられる読み方は、概ね上述の「三角ロジック」に相当するものを意識した上で、「どんな問題に取り組んだのか」「どういう方法でその問題に取り組んだのか」「著者はどのような解を与えたのか」などを大雑把に把握し、最後に、その解を導き出すにいたるまでの証拠を丁寧に文中から拾っていくという読み方である。
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