論争の起源とは? わかりやすく解説

論争の起源

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/02 05:30 UTC 版)

転形問題」の記事における「論争の起源」の解説

マルクスはすでに『資本論第一巻において、価値規定平均利潤の間に「外見上の矛盾」があることを認めており、この矛盾は「多く中間項」を経て解決されるのであるとしていた。マルクス死後エンゲルスは『資本論第二巻序文においてこの問題取り上げ、『資本論第三巻では、「価値法則損なわないばかりでなく、むしろ価値法則基づいて平均利潤形成されることが成し遂げられるであろうことを約束し、これをめぐって多く論争巻き起こった。特にベーム・バヴェルクは、「約束決し果たされなかったし、果たされるずがない」と断言した。 さらに、『資本論第三巻出版直後ベーム・バヴェルクは『マルクス体系終結』(1896年)と題する論文自説正当性詳細に証明して見せた。この批判は、ヒルファーディング反論にも関わらずマルクス批判的な経済学者にとっては、長い間有効な批判考えられて来た。ヒルファーディング反論は、後の転形論争の中では時に歴史的転形」(historical transformation)と呼ばれることがあったように、転形問題資本主義発展過程での歴史的な変容あるかのように扱っている部分があり、価値価格同時的な成立求めベーム・バヴェルク批判とは遂にかみ合うことはなかった。 20世紀入って、ラディスラウス・ボルトケヴィッチが、この問題を再び取り上げマルクス対す批判数理的アプローチにより展開したが、そこでは、平均利潤だけでなく、費用価格転形問題として取り上げなければならないという点が、従来論争において忘却されていることが指摘されていた。しかしながら、その指摘自体はあまり注目されることなくしばらく忘れ去られていた。

※この「論争の起源」の解説は、「転形問題」の解説の一部です。
「論争の起源」を含む「転形問題」の記事については、「転形問題」の概要を参照ください。

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