読者の関与
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「アメリカン・コミックスの読者欄」の記事における「読者の関与」の解説
ジェリー・ベイルズはおそらく、自分が愛読するコミックスの方向性に影響を与えられると信じた最初の読者であったと思われる。1960年代の初め、ベイルズはDC社に手紙を大量に送りつけ、『フラッシュ』や『ジャスティス・リーグ』などで行われていたスーパーヒーロー・ジャンルの再興をさらに広げるアイディアを提案した。例えば、『ジャスティス・リーグ・オブ・アメリカ』第4号の読者欄は、ベイルズが様々なペンネームで書いた何通もの長文の手紙で占領されていた。ベイルズは編集者ジュリアス・シュワルツに偽名がばれないように、全米各地から手紙を投函するなどあらゆる手を尽くしていた。 その後、読者欄にもっとも活気があった1970年代と80年代には、多くのコミックシリーズが読者の参加を積極的に求めるようになっていた。キャラクターのコスチュームについての意見や、時には新デザインの投稿が募集され、読者のデザインが実際に用いられた。『トゥーム・オブ・ドラキュラ』や『ヴィジョン・アンド・スカーレットウィッチ』では、主人公がもうけた子供の名前が読者から募集された。このようなコンテストの勝者にはそのコミックブックの生原稿が贈られることが多かった。 『アベンジャーズ』『ジャスティス・リーグ』『リージョン・オブ・スーパーヒーローズ』のようなチーム物では、どのキャラクターを固定メンバーやリーダーにするか、もしくは逆にどのキャラクターを除名するかがファン投票によって決定された。1970年代のマーベル社の読者欄の多くでは、読者からの感想が重んじられているということが強調されていた。たとえば、『パワーマン』第24号(1975年4月)では以下のようなメッセージが描かれた。「我々は毎号毎号ヒット作を作れるわけじゃない。ときにはストーリーに穴があったり、単にいまいちだったりする。そういうわけで、君たちが送ってくれるこういうコメントが重要なんだ。… だから諸君、君たちの投稿が無意味だなんて言われても耳を貸さないでくれ。我々の雑誌には投稿が不可欠なんだ」 そのほか1980年代から、新創刊されるタイトルに早期にファン層を築くため、尊敬を受けているレターハック(後述)たちにプレビュー号を提供して発売前から手紙を送るよう乞うことも行われた。また、そうそうあることではないが、熱心なファンの集団が出版社の総編集長や発行人に手紙を送ったことで、売れ行きの悪いタイトルが打ち切りから救われたこともあった[要出典]。
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