評議及び評決
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/15 09:19 UTC 版)
裁判官は、審理が終わった段階で、陪審に対する説示を行う。説示の中では、(1) 適用すべき実体法、(2) どちらが立証責任を負うかや、立証責任が果たされるに必要な証拠の程度などの証拠法の原則、(3) 評決に達するための手続について説明される。その後、陪審は法廷から評議室(陪審員室)に下がり、非公開で評議を行う。裁判官、訴訟当事者を含め、陪審員以外の者は誰も評議の内容を見聞きすることはできない。評議は複数日にわたることもある。その結果、評決に達した場合は、法廷に戻り、陪審員長又は書記官が評決を読み上げる。 連邦及び各州(6州を除く)では、陪審の有罪又は無罪の評決には全員の一致が必要である。評決が成立しない場合は評決不能 (hung jury) となり、再度トライアルをやり直さなければならない。合衆国憲法上は、12人の陪審員のうち10人の多数決による評決を認める州法も合憲とされたが、6人の構成の場合には全員一致の評決でなければならず、5人の多数決による評決は違憲であるとされた。 刑事事件では、個々の事実についての認定を示す個別評決 (special verdict) はどの法域でも行われておらず、有罪か無罪かの結論を示す一般評決 (general verdict) である。 陪審から、評決に達することができないとの報告を受けた場合、裁判官は、場合によって再評議を命じたり再考を促す追加説示をしたりすることもできるが、最終的には評決不能 (hung jury) による審理無効 (mistrial) となり、新たな陪審の選任からの再審理 (retrial) を行うこととなる。
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評議及び評決
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審理が終わってからの説示から評議への流れは前述の刑事陪審と同様である。 ただし、連邦裁判所の場合、裁判官は、当事者の申立てに基づき、合理的な陪審であれば相手方に有利な判断をするだけの証拠はないであろうと判断するときは、陪審に評議を求める前に法律問題としての判決 (judgment as a matter of law) を下して一審手続を終局させることができる。 それ以外の場合、裁判官は、陪審に対して評議の上評決を答申するよう求めるが、その際には、原告勝訴か被告勝訴か、また原告勝訴の場合は救済内容(賠償額等)についての結論だけを答申する一般評決 (general verdict) を求めるのが一般的である。しかし、裁判所は、各争点についての結論をそれぞれ答申する個別評決 (special verdict) を求めることもできる。 陪審の評決は全員一致であることが求められるのが普通であるが、連邦裁判所では、当事者が合意した場合は全員一致でなくても評決をすることができる。州裁判所でも、場合によって、全員一致を要求しないところが多い。
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