記録フォーマット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/21 05:07 UTC 版)
上でも一部触れているとおり、販売広告の表現上では「DVDにハイビジョンが録画できる」というものであるが、ここでいう「DVD」とは既成のDVDレコーダーやDVDプレーヤーで録画・再生が可能なものや市販のDVDビデオソフトなどのようなAVCHDが登場するまでの一般的なDVDビデオソフトを意味しているわけではなく、記録メディアの物理的な器としてのDVDを表している。 つまりAVCHDディスクとは、従来のDVDビデオソフトとは異なる圧縮方式(コーデック:CODEC)や異なる規格(記録フォーマット)でデータを記録したものを指し、従来のDVD記録方式のカムコーダで作成したディスクと物理的には同じものであるが、論理的に記録されているデータが異なる。つまりこれを通常のDVDプレーヤーで再生することはできない。なお、メーカー側でもDVDプレーヤーでの使用は故障の原因となるので避けるようにとの旨、カタログやWEB等で明記している。 AVCHDでは多重化には従来技術のMPEG2-TSが用いられているが、DVDビデオにおけるMPEG-2圧縮方式の代わりにH.264圧縮方式でハイビジョン動画ファイルを記録する。但し、従来のDVDビデオソフトがMPEG-2ファイルを直接記録しているだけではないのと同様に、H.264のファイルをMPEG2-TSで多重化した上にさらに独自の形式に加工・変換処理したものが記録されている。 上記カムコーダに付属するソフトウェアを用いるか、同一メーカーによるカムコーダに直接接続するDVDライター等を用いると、メニューを含んだAVCHD方式のハイビジョンを再生できるAVCHDディスクを作成することも可能であり、AVCHDカムコーダーからハイビジョン画質を損なわずに、安価な12cmDVD-Rなどへのバックアップ可能なソリューションとなる。 このDVD記録AVCHDカムコーダで撮影時に記録された8cm DVDもファイナライズ後はAVCHDディスクであり、プレイステーション3・BDレコーダー・パソコン等で、ハイビジョン画質で再生できる。 AVCHDディスクは国際標準規格として制定されたものではなく、Blu-ray Disc陣営であるソニーとパナソニックが中心となって決められたカムコーダー用デファクトスタンダードであり、各社の付属ソフト等で作成したAVCHDディスクは、8cm・12cmディスクとも互換性がある。将来的にこの方式のハイビジョン映画ソフト等が出現する可能性は低いが、個別のH.264圧縮方式やディスクの論理フォーマット(UDF 2.5)などはBlu-ray Disc(BD)やHD DVDでも採用されている一般的な新しい規格であり、各メーカーは今後とも開発・発売されるBlu-ray Disc(BD)レコーダー製品やパソコンでの再生や編集をサポートしていくと明言している。 なお、上記のBD/DVDレコーダーはAVCHDの再生ができるだけで、テレビ放送をAVCHD形式で録画できるわけではない。テレビ放送をハイビジョン解像度でMPEG-4/AVC圧縮記録する規格としてAVCRECがあるが、基本的にはAVCHDとは別個の規格である。
※この「記録フォーマット」の解説は、「AVCHD」の解説の一部です。
「記録フォーマット」を含む「AVCHD」の記事については、「AVCHD」の概要を参照ください。
- 記録フォーマットのページへのリンク