言語種ごとのタイプライター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/16 09:27 UTC 版)
「タイプライター」の記事における「言語種ごとのタイプライター」の解説
メカニズム的に言うと、欧文用タイプライター(印欧語用タイプライター)はおおむね似たようなメカニズムで実現されているという面はあるが、ひとつひとつの言語ごとにキーボードの配列および活字は異なっている。 アルファベットを用いる欧米の言語であっても、ひとつひとつの言語ごとに異なったキーボード配置や独特のアクセント記号や特殊記号を配置したタイプライターがあると考えてよい。たとえば英語用(英文用)タイプライター、フランス語用タイプライター、スペイン語用タイプライター、ドイツ語用タイプライター...等々、さまざまなキーボード配置があり、欧米語の種類のタイプライターがある。たとえば似たアルファベットも含む英語用タイプライターとフランス語用タイプライターであっても、アルファベットの配置が大きく異なる。英語用のタイプライターは通常QWERTY配列だが、フランス語用タイプライターは通常 AZERTY配列であり、ドイツ語用は通常 QWERTZ配列である。 言語ごとの特殊なアクセント記号や特殊記号が印字できなければならない。たとえばフランス語用では、例えば「pâtisserie」(パティスリー、=洋菓子店)の「â」という文字を印字するために、「a」の上に、上向きにとがった記号(アクサン・シルコンフレックス)を印字できなければならないし、「Noël」(ノエル、=クリスマス)を印字するためにeの上に、「トレマ」と呼ばれる、点が二つの記号が(あたりまえのように)印字できなければならない。たとえばスペイン語用タイプライターでは、逆さのクエスチョンマーク「¿」を印字できなければならない...といった具合である。 さらにロシア語用タイプライターでは(英語用やフランス語用とは活字がすっかり異なり、アルファベット自体が全く異なっており)活字がキリル文字(ばかり)であるし、ギリシア語用タイプライターは活字がギリシア文字ばかりである。 英文タイプライター 英文タイプのキーの文字配列は前後4列、左右12字程度。一番手前にスペースバーが横長に取り付けられていた。今日のコンピュータのキーボードに採用されている、いわゆるQWERTY配列とほぼ同じである。誤字を消すには、ホワイト(修正液。現在こそ専用の製品があるが、20世紀初頭までは白の絵具を流用するのが一般的だった)を塗るか、訂正用紙をはさんで同じ活字を上からもう一度打ち込むなどする必要があった。 デスクに常置して使う大振りのものと、小ぶりでケースに入れて持ち運びできるポータブルタイプがあった。 紙を二重に重ねて、その間にカーボン紙を挟めば、奥の方の紙はカーボンコピーとなる。 和文タイプライター 詳細は「和文タイプライター」を参照 日本語は文字の数(種)が「けた違い」に多く「カタカナ」だけを印字するだけでも すでに印欧語のアルファベットと比べて文字の数がかなり多いが、さらに漢字まで打てるタイプになると数千種類の文字を印字する必要があり、欧文のタイプライターとは全く異なったメカニズムとなっている。
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