視聴者非主流層の切り捨て
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 23:25 UTC 版)
「テレビ離れ」の記事における「視聴者非主流層の切り捨て」の解説
テレビの視聴者はいくつかの層に分類されている。このうち視聴率を大きく左右する主流層を優先した編成が行われ、非主流層におけるテレビへの不満は高くなっている。一方で、視聴層が狭く購買力がある層(コアユーザー)に頼った番組が増えている。 またスポンサーが重視する、購買欲の高い若者女性(F1層および、女子のティーンズ層)向けの番組が、バブル崩壊以降増えている。1980年代以前のゴールデンタイムは、老若男女誰でも受け入れられる番組が主体だったのに対して、それ以降は、明らかに女性をターゲットにした番組が午前中はもとより、ゴールデンタイムでも主流になっている。中でも情報系番組は「女性に人気」「女性が支持する」といった語句を並べて、あたかも男性視聴者は存在しないような番組作りを行っている番組もある。 日本テレビはかつて、巨人戦を中心としたプロ野球中継を柱にしていたが、女性向けの番組がスポンサーから支持されると、知ると地上波での野球中継を大幅に削減したことで男性層に気に入られる番組が少なくなり、男性層がテレビから離れる結果となった。レギュラー番組でも、「伊東家の食卓」を「女性の視聴率が低い」という理由で終了させている。 テレビ東京も、このような状況の中で独自路線を強めて一部コア層のための番組を多く編成して高評価を得ており、2015年頃からは視聴率も上昇したが、万年最下位ゆえの過剰評価な点もありその後は苦戦した。 一方で、2010年代になると少子高齢化の進展などの要因により世帯視聴率を獲得するために中高年層に支持される番組が増加したことで、若年層のテレビ離れをもたらしている。一例として、フジテレビ系列の「月9ドラマ」枠は、世帯視聴率の獲得に苦戦したラブストーリー路線に代わり、安定した視聴率の獲得が期待できる「医療・刑事ドラマ」の割合が高まることとなったが、これに対して若年層のドラマ離れを懸念する意見がある。他にも、テレビ朝日系列のテレビアニメである「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」は、世帯視聴率の低下が要因となり、2019年に金曜夜7時から土曜夕方に移動し同時間帯で「ザワつく!金曜日」の放送が開始された。「ザワつく!」は高い世帯視聴率を上げているが、若年層は掴まえられていないという。
※この「視聴者非主流層の切り捨て」の解説は、「テレビ離れ」の解説の一部です。
「視聴者非主流層の切り捨て」を含む「テレビ離れ」の記事については、「テレビ離れ」の概要を参照ください。
Weblioに収録されているすべての辞書から視聴者非主流層の切り捨てを検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
全ての辞書から視聴者非主流層の切り捨てを検索
- 視聴者非主流層の切り捨てのページへのリンク