西勝原発電所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/24 14:59 UTC 版)
硫安製造用の電力を発電するために北陸電化が建設したのが西勝原発電所(にしかどはら、地図)である。九頭竜川筋、福井県大野郡五箇村大字西勝原(現・大野市)に設置された。 北陸電化設立後、1917年11月15日に起工式が行われ着工。工事中、水路トンネルの落盤事故や感染症の流行で多数の死者が出る事態に直面したが、1919年(大正8年)6月には3台の発電機のうち1台を除き完成して25日に仮使用認可を得た。残工事も追って竣工し、11月7日付で仮使用認可が下りている。発電所出力は原設計では4,200キロワットであったが、実測すると水量が想定より多いため翌1920年4月に使用水量増加の許可を得て出力も7,200キロワットへと増強した。設備については、着工が世界大戦の最中であり国外への機器注文は不利とみられたため国産機器をそろえ、水車3台は電業社製、発電機3台は芝浦製作所製のものを設置している。当時の西勝原発電所は、福井県内の全既存発電所の合計出力を単独で越える、県内最大の発電所であった。 西勝原発電所の発生電力は硫安工場に送電されたほか、越前電気(供給開始は1919年12月)、大正電気(同1920年1月)、京都電灯福井支社(同1920年5月)、福井電力(同1921年7月)の順で周辺事業者にも送電された。
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