裁判以降の性教育と純潔教育
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 09:50 UTC 版)
「性的対象化」の記事における「裁判以降の性教育と純潔教育」の解説
2018年3月、東京都足立区立中学校の授業が不適切だとする東京都議会質問が波紋を広げた。性交、避妊、中絶は中学の学習指導要領で扱っていないが、3年生を対象にした授業で「産み育てられる状況になるまで性交は避けるべき」と強調し、避妊や人工妊娠中絶についても教え、考えさせる内容を行った。また授業前のアンケートで「2人が合意すれば、高校生になればセックスをしてもよいと思うか」や、正しいと思う避妊方法などを問う項目が含まれており、「学習指導要領に記載のない性交、避妊、中絶といった言葉を使っていた」「かえって性交を助長する」と問題視され、足立区教育委員会を指導するに至った。 発端の都議会質問は、七生養護学校を非難・処分し最高裁で敗訴した古賀俊昭で、「結婚するまで性交渉を控えるという純潔教育や自己抑制教育が必要だ」「そもそも『結婚する・しない』を自己決定するという戦後の価値観が問題だ。『結婚・出産・子育て』は社会貢献だとしっかり教育すれば、安易な性交渉にはおのずと抑制的になる」などと主張した。 この批判に対し、NPO法人ピルコン理事長の染矢明日香らが中心となり、教育者や専門家による反対署名を開始した。「10代を取り巻く妊娠・性感染症や若年妊娠による貧困をはじめとした、性に関する深刻な現状を踏まえ、健康と安全のために不可欠な人権教育としての包括的な性の教育の推進と、学習指導要領の見直しを求める」とし、2019年2月時点で19,430人の賛同を得た。署名活動は現在も続いている。Yahoo!ニュースのアンケート(2018/5/15〜5/25)では、25,063票中、性教育が必要は90.5%(22,674票)、不必要は9.5%(2,389票)だった。 2019年2月26日に行われた東京都議会では、中学校での性教育について、都教育委員会の中井敬三教育長は「児童生徒が正しい知識を身に付け、適切に意思決定や行動選択ができるよう、区市町村教委などと連携して各学校を支援する」と答弁した。小池百合子東京都知事は、犯罪の被害者を支援するための犯罪被害者支援条例を制定する方針を明らかにした。
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