裁判での引用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 02:32 UTC 版)
「償い (さだまさしの曲)」の記事における「裁判での引用」の解説
2001年4月29日、東京都世田谷区の東急田園都市線において、4人の少年が泥酔した銀行員の男性から車内で足が当たったと絡まれ口論となった末、三軒茶屋駅のホームに降ろされた4人が男性からの暴行に対応する形で男性の意識がなくなるまで暴行を加え、放置し、のちにくも膜下出血で死亡させるという事件が起きた。 後日出頭した4人のうち、主犯格となった2名が傷害致死罪に問われて逮捕され、少年審判に付された。その結果、事件の重大さから逆送となり、地方裁判所の公開法廷で審理が行われることとなった。裁判の中で2人は「申し訳なく思います」「自分という人間を根本から変えてゆきたい」などと反省の弁を述べた一方、事件自体は酔った被害者がからんできたことによる過剰防衛であると主張し、裁判中の淡々とした態度や発言から、真に事件に向き合い反省しているかどうか疑問を抱く態度を繰り返していた。 2002年2月19日、東京地方裁判所において判決公判が行われ、少年2人に対して懲役3 - 5年の不定期刑の実刑判決が下された。判決理由を述べあげた後、山室惠裁判長は被告人2人に対し「唐突だが、君たちはさだまさしの『償い』という唄を聴いたことがあるだろうか」と切り出し、「この歌のせめて歌詞だけでも読めば、なぜ君たちの反省の弁が人の心を打たないか分かるだろう」と説諭を行った。 裁判官が具体的に唄の題名を述べて被告を諭すことは異例のことであり、「償い説諭」はマスコミに取り上げられ話題となった。 さだまさしは新聞社の取材に対して、「法律で心を裁くには限界がある。今回、実刑判決で決着がついたのではなく、心の部分の反省を促したのではないでしょうか」とコメントしたうえで、「この歌の若者は命がけで謝罪したんです。人の命を奪ったことに対する誠実な謝罪こそ大切。裁判長はそのことを2人に訴えたかったのでは」と述べた。
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