裁判での争点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/04 09:07 UTC 版)
PCIJ判事たちの票は6対6に割れたため、裁判長マックス・フーバー(英語版)の投票により決せられた。判決は以下のような理由で、トルコによる裁判管轄権行使を認める判決を下した。 確かに裁判権は属地的なものであり、慣習国際法や条約で許容される場合を除いて裁判権は領域の外で行使してはならない。しかしこのことから、領域内において国外で行われた行為に対して裁判権を行使することが国際法上禁止されているということにはならない。 多くの国の裁判所は、加害者が犯罪を行った時点で外国にいた場合でも、その犯罪の効果が領域内で発生すれば、犯罪行為が領域内で発生したとみなしてきた。したがって犯罪の効果がトルコの船舶に発生していることが認められる以上、犯罪行為の時点で犯人がフランスの船舶内にいたからといって、トルコによるドゥモン訴追が禁止されることにはならない。 旗国主義に基づき、公海上の船舶内に対しては基本的に旗国の排他的管轄権がおよぶ。しかしそのことから、公海上の外国船舶内で行われた行為に対して自国の領域内でも管轄権を行使できないわけではない。
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