裁判とその判決
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/22 02:49 UTC 版)
「マクドナルド・コーヒー事件」の記事における「裁判とその判決」の解説
ステラは、火傷の直接的な原因が自分の行動にあることは認識していた。しかし、火傷の一因となったコーヒーの熱さは異常であり、この点についてマクドナルドは是正すべき義務があり、また治療費の一部を補償するべきであるとして訴訟を起こした。 陪審員による評議の結果、次の理由でリーベックに20%、マクドナルドに80%の過失があるとした。 訴訟と同様の苦情が過去10年間に700件あったこと マクドナルドのコーヒーが客に提供される際の温度は華氏180〜190度(摂氏約85度)だが、家庭用コーヒーメーカーのコーヒーは華氏158〜168度(摂氏約72度)であったこと コーヒーを渡す際、マクドナルドはなんら注意をせず、またカップの注意書きも見難いこと その上で、填補賠償認定額20万ドルの80%にあたる16万ドルを本来の填補賠償額として、またマクドナルドのコーヒー売上高の2日間分に相当する270万ドルを懲罰的損害賠償額として、それぞれ支払いを命じる評決が下された。日本でこの事件は「コーヒーをこぼしただけで、裁判で3億円(16万ドル+270万ドルの当時の為替レートによる円換算額)もの賠償金を得た」と、訴訟大国アメリカを象徴するものとしてテレビ番組などで取り上げられた。 しかし、判事のスコットは評決後の手続で懲罰賠償額を「填補賠償額の3倍」に当たる48万ドルに減額を命じ、最終的にはマクドナルドが合計64万ドルの賠償金支払いを命じる判決が下された。その後、和解が成立し、マクドナルドは60万ドル未満(非公開)の和解金をステラに支払った。
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