蟇田素藤の乱・八犬具足
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「南総里見八犬伝」の記事における「蟇田素藤の乱・八犬具足」の解説
里見家に従属していた上総館山城主蟇田素藤は、盗賊の倅から幸運に恵まれて一城の主に成り上がった人物である。八百比丘尼妙椿の幻術によって、浜路姫の姿を見た素藤は、浜路姫に恋慕して婚姻を願うも、義成に断られる。妙椿の助力を得た素藤は、文明15年(1483年)1月、里見家の嫡男・義通を人質にとり、里見家に反旗を翻した。里見の軍勢は人質と妖術に悩まされ、館山城を攻めあぐねた。2月、富山を訪れた老侯里見義実は刺客に襲われたが、このとき犬江親兵衛と名乗る大童子が現れて危難を救う。親兵衛の「神隠し」は伏姫神によるもので、犬江親兵衛は伏姫神の庇護下に置かれ、実年齢以上の成長を遂げていたのであった。また、荒芽山で行方不明となった音音・世四郎夫婦らも富山に導かれていた。親兵衛は速やかに素藤の乱を鎮定する。 ひとたびは助命され追放された素藤であったが、妙椿とともに再乱の機をうかがう。3月に妙椿は幻術によって、親兵衛が浜路姫と密通しているという疑いを義成に持たせることに成功した。義成は親兵衛を結城に向かわせ、また珠からも引き離してしまう(ただし、親兵衛の珠は自ら親兵衛の許に戻る)。親兵衛がいない里見家の領国では、素藤と妙椿が上総館山城を奪取した。 親兵衛は不忍池のほとりで、扇谷家の奸臣たちの讒言に遭った河鯉孝嗣が処刑されようとするところに遭遇する。孝嗣の危難を救ったのは、河鯉家に恩義を持つ政木狐であった。孝嗣は名を政木大全と改めて里見家に仕えることとする。義成は幻術により親兵衛を疑ったことを覚る。誤解が解かれた親兵衛は上総館山に赴き、4月13日に素藤を討った。退治された妙椿が現した本体は、玉梓の怨念の宿った狸であった。 一方結城では、悪僧徳用と一部の結城家重臣が法要の妨害を図った。七犬士は協力して襲撃者と戦い、素藤の再乱を鎮定して駆けつけた親兵衛も合流し、ここに八犬士は集結する。文明15年(1483年)4月16日のことであった。結城家が介入して事態は収拾される。犬士たちはともに安房に赴き、里見家に仕えることとなった。
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