薬物使用・飲酒・喫煙に関する研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 14:56 UTC 版)
「超越瞑想」の記事における「薬物使用・飲酒・喫煙に関する研究」の解説
超越瞑想の指導者になる訓練を受けている人で、定期練習を3か月以上行っている人2000人を対象とした研究では、超越瞑想によるリラクセーション反応で、薬物の使用量が少なくなったという結果が出ている。ハーバート・ベンソン(英語版)、R・K・ワレス、C・ダール、D・F・クックの共同研究では、アンケートで超越瞑想を始める6か月前に比べて、約半数がLSDを使用しており、433人がLSDを1か月に1回から3回、もしくはそれ以上使用する中度か重度の常習者だったが、瞑想を初めて3か月後にはLSDの使用者は233人に、22か月後には97%がLSDの利用を止めていた。マリファナか覚醒剤は、超越瞑想を始める6か月前には1450人以上の78%の参加者が使用しており、うち28%が1日1回以上利用する重度常習者だったが、超越瞑想の練習を始めた6か月後には、マリファナの利用者は37%に低下した。定期練習12か月後にはマリファナ利用者は12%になり、残りは1名を除き軽度の常習者になった。ほかのメスカリン・ペイヨーテ・STD・DMTといった幻覚剤、覚せい剤、鎮静剤の使用も減少した。また瞑想の定期練習前は参加者の60%が強い酒を飲み、うち4%が1日1回以上強い酒を飲む重度の飲酒を行っていたが、瞑想を初めて21か月後には、強い酒を飲む人は約25%に、重度の飲酒者は0.1%になった。瞑想を始める前は約47%の参加者が喫煙をし、27%が1日1パック以上吸う重度の喫煙者だったが、瞑想を初めて21か月後には喫煙者は16%に、重度の喫煙者は5.8%になった。これらの結果は予備的で比較対象がないが、リラクセーション反応の利用で飲酒と喫煙が減少したことが示されている。ただし、研究対象が研究が始まる以前から積極的に瞑想に関心を持っていた人、始めることを決めていた人に限られているため、瞑想を始めたがあきらめて薬物に逆戻りした人が何人いたかはわからず、参加者はみな超越瞑想の指導者を目指していたため、もともと研究に大きな興味を持っており、これが結果の解釈をゆがめるバイアスとして働いた可能性はある。また時間をさかのぼって行う「後ろ向き」研究であったため、誇張して思い出したり、実際の使用量とは違っていた可能性もある。 そのため、ハーバート・ベンソンとカンザス大学のメイナード・W・シェリーは、マサチューセッツ州とミシガン州の中学校を対象に、匿名で薬物濫用を始めてから研究が終了するまでの習慣を記録し続ける大規模調査を行った。定期的に超越瞑想の練習を行った生徒は薬物の使用量が少なく、前回の研究結果を肯定するものであったが、中学生たちに超越瞑想は不評であり、超越瞑想を学ぶことに同意した数千人の生徒のうち、実際に学んだ生徒は36名、定期的な実践者は6名であった。ベンソンは、おそらく別のリラクセーション反応を行った方が、彼ら中学生の生活には合っており、もっと簡単に受け入れて練習してくれるだろうと述べている。
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