色差成分を間引く方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/05 22:22 UTC 版)
YCbCrで帯域を減らす際に、色差成分を間引く方法も併せて使用される。人間の目は色の変化よりも明るさの変化に敏感なので、色差成分を減らしても不自然だと感じにくいためである。ビデオフォーマットとして採用されているものには、以下の種類がある。 4:4:4 Y, Cb(Pb), Cr(Pr)の各成分を水平画素に関して各成分4:4:4の割合で記録する。つまり以下で説明する4:2:2や4:1:1等と違い、信号を間引かず全て記録するので最も高画質のフォーマットである。 4:2:2 一般的な業務用ビデオに採用されている方式で、Y, Cb(Pb), Cr(Pr)の各成分を、水平に4:2:2の画素割合で記録する。すなわち、水平に並んだ画素に1,2,3,4,5,6,7,…の番号を振った場合、Y信号は1,2,3,4,5,6,7,…の各画素について情報を記録するが、Cb(Pb)とCr(Pr)については1,3,5,7,…の画素のみの情報を記録し、再生時には画素1の色差情報を画素1,2に適用し、画素3の色差情報を画素3,4に適用し……という具合に補完する。ソニーのデジタルベータカム、ベータカムSX、HDCAM、HDCAM-SR(YPbPr記録)、PanasonicのD-5、DVCPRO50、HD-D5(YPbPr記録)、AVC-Intra(100Mbps記録)で採用されている。 4:1:1 525/60圏で使用する家庭用DVフォーマットと業務用DVCAM、DVCPRO(25Mbps記録)フォーマットに採用されている方式で、Y, Cb(Pb), Cr(Pr)の各成分を水平に4:1:1の画素割合(輝度4画素に対して色差1画素)で記録する。 4:2:0 DVDを始めとする一般的なMPEG圧縮フォーマット(デジタル放送、D-VHS、BD)やHDV、AVCHDなどの家庭用カメラフォーマットで使用するほか、ソニーのXDCAM-HD、XDCAM-EX、AVC-Intra(50Mbps記録)、625/50圏のDV、DVCAMフォーマットなど、業務用のビデオフォーマットでも使用されている。4:2:2方式と同様に、色差信号を輝度信号の2画素ごとに記録する方式であるが、1フレーム目の奇数番目の走査線ではCb(Pb)信号のみを記録して、偶数番目の走査線ではCr(Pr)信号のみを記録、2フレーム目の奇数番目の走査線では逆にCr(Pr)信号のみを記録して、偶数番目の走査線ではCb(Pb)信号のみを記録し、以下のフレームではこれを繰り返すという具合に、Cb(Pb)とCr(Pr)信号を走査線ごとに間引いて記録する。再生時、記録されていない色差信号のデータは、1本上の走査線のデータで補完する。情報量は4:1:1方式と同じになるものの、色信号の水平解像度と垂直解像度のバランスがよく、家庭用デジタルビデオの主流方式となっている。
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