ちし‐いでんし〔‐ヰデンシ〕【致死遺伝子】
致死遺伝子
英訳・(英)同義/類義語:lethal gene, lethal mulation gene
遺伝学で、その遺伝子を持つと成熟個体が生じなくなる遺伝子の総称。もしくは、変異の結果そのような性質も持つようになった遺伝子。
遺伝や核酸に関する反応や現象など: | 自己スプライシング 自己スプライシング型イントロン 自律的複製 致死遺伝子 薬剤耐性の種間形質転換 融合遺伝子 表現型コピー |
致死遺伝子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/27 14:37 UTC 版)
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致死遺伝子(ちしいでんし 英: lethal gene)とは、その遺伝子を持つ個体を死に至らしめる遺伝子のこと。
個体を死に至らしめる遺伝子は子孫に遺伝する可能性がないように思われるかもしれないが、致死性について潜性の遺伝子をヘテロに持った個体では致死性が発現しない場合があり、その個体を通じて遺伝し得る。両親がそのような遺伝子を持っていた場合、雑種個体のうちで、その遺伝子をホモに持った個体は生まれることなく死亡する。その結果、出生した個体の表現型の分離比を見るとホモ個体が欠けているため、通常のメンデルの法則から期待される分離比とは異なった結果となる。
致死遺伝子の表現型発現のタイミングには様々なものがあり、配偶子で発現するものや個体で発現するものがある。また個体で発現する致死遺伝子においても、胎児期に発現するもの、繁殖期を迎える前に発現するもの、繁殖期を迎えたあとに発現するものがある。
致死遺伝子の表現型の強さについても様々なものがあり、死亡から生存に不利になるものまで、幅がある。
致死遺伝子の例

- キイロハツカネズミの毛色遺伝子
- 顕性遺伝子Yが黄色、潜性遺伝子yが白色の毛色を発現するが、ホモ接合型YYになると陥入期に死亡する。この遺伝子は致死性については潜性であるが、同時に体色に関しては顕性に働く。
- 親がYy(黄色)とYy(黄色)ならば、子供はYY(致死):Yy(黄色):yy(白色)=1:2:1となり、実際に生まれた個体比は、黄色:白=2:1となる。
- この他にも、潜性ホモ接合型で桑実胚期に死に至る無尾遺伝子t'や原腸形成期に死に至る無尾遺伝子t0、顕性ホモ接合型で脊索の分化時に死に至る短尾遺伝子TやSdも知られている。
- ヒトの鎌状赤血球症遺伝子
- A遺伝子は正常赤血球を作るが、S遺伝子は鎌状赤血球を作る。遺伝子型SSは重度の貧血を呈するため、現代の適切な医療処置なしではたいてい成人前に死亡する(ただし現在では遺伝子型SSの予後は改善している)。しかしS遺伝子はマラリアに対する耐性を示すので、マラリアが蔓延する地域においては遺伝子型AAよりもASの方が生存に有利となり、S遺伝子が絶滅することなく子孫に伝えられていると考えられる。[1]
- ニワトリのクリーパー遺伝子
- ニワトリのクリーパー品種(先天的に足が短い品種)の遺伝子Cpは、ホモ接合型で死に至る。これも致死性については潜性、形質については顕性の遺伝子である。
脚注
- ^ “貧血を患った大男の話 - 医療トピックス|中野区医師会”. www.nakano-med.or.jp. 2025年5月9日閲覧。
関連項目
致死遺伝子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 06:56 UTC 版)
チンチラには致死遺伝子が存在し、ベルベット同士又はホワイト同士を交配すると25%がホモ接合型の遺伝子となり流産・死産になる。従ってベルベットとホワイト又はチンチラの濃い色のミューテーション ショコラ又はエクストラダークエボニーと決して交配してはいけない。ベルベットの遺伝子は濃い色のミューテーション に目で見極められなくベルベットであるか分からないので、ホワイトの遺伝子は不完全優先遺伝子のためベルベットの遺伝子が多くの場合見つけられない(隠れて遺伝子として存在している事がある)。 血筋が分かっている場合は交配可能である。チンチラに2つのベルベットの遺伝子又はホワイトの遺伝子があると遺伝子型として生きられない。その結果メスにはホモ接合型の赤ちゃんは生きられないので子宮の中で死亡して流産になりえる。流産が出血を引き起こし低体温症になり、手当てが遅れると死に至る。子宮の中で死んだ仔が排出できない石児になる。石児を外に出すには帝王切開しか手段がなく、メスの生命に危険を及ぼす。もし仔が石児している事に気づかなかったら敗血症になり死亡する危険性がある。 交配は遊びではなく、気軽にする事ではない。チンチラの各種類を守るため、カップルにするにはしっかり勉強し厳しく念入りにセレクションしなければいけない。
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