致死遺伝子の例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/07/18 08:49 UTC 版)
キイロハツカネズミの毛色遺伝子 優性遺伝子Yが黄色、劣性遺伝子yが白色の毛色を発現するが、ホモ接合型YYになると陥入期に死亡する。この遺伝子は致死性については劣性であるが、同時に体色に関しては優性に働く。 親がYy(黄色)とYy(黄色)ならば、子供はYY(致死):Yy(黄色):yy(白色)=1:2:1となり、実際に生まれた個体比は、黄色:白=2:1となる。 この他にも、劣性ホモ接合型で桑実胚期に死に至る無尾遺伝子t'や原腸形成期に死に至る無尾遺伝子t0、優性ホモ接合型で脊索の分化時に死に至る短尾遺伝子TやSdも知られている。 ヒトの鎌状赤血球症遺伝子 A遺伝子は正常赤血球を作るが、S遺伝子は鎌状赤血球を作る。遺伝子型SSは重度の貧血を呈し、幼児のうちに死亡する。しかしS遺伝子はマラリアに対する耐性を示すので、マラリアが蔓延する地域においては遺伝子型AAよりもASの方が生存に有利となり、S遺伝子が絶滅することなく子孫に伝えられていると考えられる。 ニワトリのクリーパー遺伝子 ニワトリのクリーパー品種(先天的に足が短い品種)の遺伝子Cpは、ホモ接合型で死に至る。これも致死性については劣性、形質については優性の遺伝子である。
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