耐久レーシングカー車体供給
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 09:32 UTC 版)
「ダラーラ」の記事における「耐久レーシングカー車体供給」の解説
耐久レース用スポーツカーの供給としてのダラーラも広く活躍している。1980年代初め頃からダラーラは、ランチア・LC1(グループ6・プロトタイプ)、LC2(グループCカー)等の製作を担当した。その後、1993年からWSCクラスというIMSA GT選手権の新カテゴリの為にフェラーリ・333SPのシャシー製作を担当した。この333SPの製造は、同社のフェラーリ・F40などと同じイタリアの工場で行われ、1994年に登場し北米とヨーロッパの両方のレースで多くの勝利を獲得した。その後、フェラーリはダラーラに対してフェラーリ・F50のレースバージョンの開発を依頼するが、このプロジェクトは1998年に中止された。 これを契機にしてダラーラはレースに参加する他の自動車メーカーとの契約を確保した。主なシャシーとしてはトヨタ・GT-One TS020、アウディ・R8、アウディ・R10、アウディ・R15、ポルシェ・919ハイブリッドに関与し、そしてルマン・プロトタイプのオレカクライスラーの「SP1」を開発した。これら多くの車はプロトタイプスポーツカーレースにおいて競争力をもち、特にアウディ・R8においては、ル・マン24時間レースにおいて支配的なシャーシとなり、アメリカン・ル・マン・シリーズ等でも大いに活躍した。2008年からはグランダム・シリーズの、デイトナ・プロトタイプ「DP01」を開発した。 上記の通り、アメリカ国内においても非常に支持が高いシャシーコンストラクター (車体製造者) であり、特に耐久レースにおいては最も成功しているシャシーコンストラクターの1つといっても過言ではない。 2017年にはLMP2シャーシ『P217』の供給を開始。IMSAのUSCC(ユナイテッド・スポーツカー選手権)では新規定のDPiに合わせてキャデラックとジョイントし、P217をベースとした『キャデラック・DPi-V.R(英語版)』を開発。規定初年度にデイトナ24時間・セブリング12時間・選手権を制覇し、2018年もデイトナと選手権を連覇する圧倒的な活躍を見せている。 2023年からは、ウェザーテック・スポーツカー選手権に新設されるGTP(LMDh)クラスにシャシーを供給する予定で、2021年現在BMW/キャデラックの2社がダラーラ製シャシーを採用することを発表している。なお両社とのマシン開発は、同一のモノコックを使用するという点を除いて完全に別個のプロジェクトとして進められており、プロジェクト相互間での情報共有も一切行っていない。 グループC 「ランチア・LC2」 IMSA WSC「フェラーリ・333SP」 ル・マン・シリーズ LMP1「Dallara SP1」 グランダム・シリーズ デイトナ・プロトタイプ「Dallara DP01」 世界耐久選手権(WEC) LMP2「Dallara P217」 ユナイテッド・スポーツカー選手権「キャデラック・DPi-V.R(英語版)」
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