美術館の歴史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/31 02:05 UTC 版)
モンマルトル美術館は1960年に歴史・考古学会「古きモンマルトル(フランス語版)」により設立され、フランス博物館・美術館に関する2002年1月4日付法律第2002-5号により、2003年以降はフランス政府に属する美術館という位置づけであり、別称として「モンマルトル美術館 ― ルノワールの庭」および「古きモンマルトル美術館」が正式に登録されている。 歴史・考古学会「古きモンマルトル」は1886年にモンマルトル周辺地区の歴史や芸術などの文化遺産の保護、研究を目的に創設され、以後、モンマルトルにまつわる芸術作品(6,000点以上)や古文書を含む史料(約100,000点)を収集し、1960年以降、モンマルトル美術館の常設展・企画展を通してこれらのコレクションを紹介している。併せて、研究成果は毎年、機関誌『LVM (Le Vieux Montmartre)』に発表している。 モンマルトル美術館は1960年の設立時には、モンマルトルの丘で最も古い館の一つであり17世紀に建てられたベレール邸内にあったが、経営難から閉館の危機に陥り、2011年、再建を目指して18世紀に建てられた隣のドゥマルヌ邸の所有者であるパリ市と契約を締結し、1,200万ユーロをかけてこの邸宅を改修した。これは、カステルノー城(フランス語版)、マルケイサック庭園(フランス語版)(空中庭園)などの修復・運営事業も手がけている「クレベール=ロシヨン社」のメセナによるもので、以後、同社が美術館を運営し、経営者クレベール=ロシヨンの娘スザンヌ・ロシヨンが現在、モンマルトル美術館の館長を務めているが、 改修前は「荒廃しきって打ち捨てられた状態だったので、基礎工事からやり直さなければならなかった」という。ドゥマルヌ邸はモリエール劇団のロジモン(フランス語版)こと、クロード・ド・ラ・ローズ (1640-1686) や画商ジュリアン・フランソワ・タンギー(タンギー爺さん)が住んでいたことで知られるが、改修工事の際には、ここにユトリロ、ヴァラドンおよびヴァラドンの若い恋人アンドレ・ユテール(フランス語版)(1886-1948) のアトリエ、寝室、居間を再現し、展示室も増設した。改修工事を終えたのは2012年。2014年に美術館の一部として正式に開館した。以後、ドゥマルヌ邸でかなり大規模な企画展が行われるようになった。
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