美術と宗教
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/03 09:51 UTC 版)
詳細は「イスラーム美術と宗教(フランス語版)」を参照 さまざまな宗教がイスラーム美術の発達において重要な役割を演じ、神聖な目的に向けられた美術も多い。イスラームはもちろんであるが、他の宗教もまた無視できない役割を演じている。エジプトからトルコまでの一帯ではキリスト教 、イラン世界ではゾロアスター教 、インド世界ではヒンドゥー教と仏教、マグリブではアニミズムが特にそうである。 イスラームは偶像を崇拝することを禁じたため、モスクなどの宗教建築やクルアーンの写本などを除くと宗教美術は存在せず、また宗教的な図像の需要も生まなかった。他方で、王族や都市の富裕層などはワクフとして宗教や慈善への寄進を行う傍ら、宮殿や贅沢な調度品など宗教以外の美術品のパトロンともなった。よってイスラーム美術に占める宗教美術の割合は大きくないのであるが、全面的ではないにせよ生物描写の忌避、モスクやクルアーンを飾ることのできる抽象的な装飾や、神の完璧な創造を暗示する数学的に計算された無限の美の追求、神の言葉を記すカリグラフィーに与えられる高い価値などの美意識や慣行を通して、乾燥地帯という気候風土などと並びイスラーム美術に共通の特質の一部を作り出している。
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