綴織
綴織<つづれおり>
区分
重要無形文化財
保持者
細見房雄<ほそみ ふさお>
(細見華岳)<ほそみ かがく> (京都府)
資料一覧
解説
綴織は,経糸<たていと>の下に実物大の下絵を置き,杼<ひ>に通した緯糸<ぬきいと>で経糸を綴りわけ文様を表す伝統的な技法である。多彩で複雑な絵文様を自在に表現できることができる装飾性豊かな技法として知られる。我が国では,奈良時代に中国から伝来した綴織の遺品が法隆寺等に現存し,その技術も同時に伝えられたと考えられているが,それが再び織られるようになったのは,中国の綴錦の影響のもと江戸時代後期の西陣においてである。祇園会山鉾の懸装品に優れた技術が残されている。歴史的にも芸術的にも価値の高い染織技法である。
綴織
名称: | 綴織 |
ふりがな: | つづれおり |
芸能工芸区分: | 工芸技術 |
種別: | 染織 |
認定区分: | 各個認定 |
指定年月日: | 1997.06.06(平成9.06.06) |
解除年月日: | |
指定要件: | |
備考: | |
解説文: | 綴織は、経糸【たていと】の下に実物大の下絵を置き、杼【ひ】に通した緯糸【ぬきいと】で経糸を綴りわけ文様を表す伝統的な技法である。その組織上の特色は、緯糸が無地の部分以外は織幅全体に通らないで、文様表現に必要な部分のみ異なる色糸で織り進められることである。そのため文様の色の境目でハツリメという細い間隙が生じる。多彩で複雑な絵文様を自在に表現することができる装飾性豊かな技法として知られ、緯糸を織り込む際、織手の指爪や櫛を使ってその緯糸を手元に掻き寄せるため、「爪で織る錦」とも称される。 わが国では、奈良時代に中国から伝来した綴織の遺品が法隆寺や正倉院に現存し、その技術も同時に伝えられたと考えられているが、それが再び織られるようになったのは、中国の綴錦の影響のもとに西陣で製作されるようになった江戸時代後期からである。祇園会山鉾の懸装品の製作には綴織が好んで用いられ、高度な技術を駆使した優れた作品が残されている。今日、綴織の技法は伝統的な技法を基本としながら、帯地を中心に袱紗【ふくさ】や壁掛、緞帳等の制作に多く用いられており、歴史的にも芸術的にも価値の高い染織技法となっている。 |
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