統一後の文学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/22 10:43 UTC 版)
1861年にイタリア王国が誕生すると政治的文学は衰退し、新しい世代の作家が活躍する。1906年イタリア人初のノーベル文学賞を受賞するジョズエ・カルドゥッチが社会的な批判を、よく抑制された詩に表して国民的詩人となる。フランスの自然主義文学の影響下ヴェリズモ(現実主義)文学が現れて、シチリアの農民たちの営みを美化せずそのまま表現した『カヴァレリア・ルスティカーナ』の作者ジョバンニ・ヴェルガが代表的な作家である。フランス象徴主義の影響から詩人ジョバンニ・パスコリなどが19世紀末にかけて活躍するが、その中でガブリエーレ・ダンヌンツィオの存在は大きい。快楽主義者の錯乱を書いた『死の勝利』など退廃的な作品群は、当時のヨーロッパ全土のみならず近代日本の作家にも影響を与えている。またファシズムの嚆矢としての面もあり、近代イタリア史にとって非常に重要な作家である。他に子供向けの作品として『クオーレ』の著者エドモンド・デ・アミーチスや『ピノッキオの冒険』のカルロ・コッローディらが有名である。優れたイタリア文学研究者も現れ『イタリア文学史』を書いたフランチェスコ・デ・サンクティスは後進たちに影響を与えた。 第一次大戦後はイタリアにモダニズム文学が栄える。精神分析学を取り入れた革新的な作品『ゼーノの意識』を書いたイタロ・ズヴェーヴォは、モダニズム文学の巨匠ジェイムズ・ジョイスに激賞されている。劇作家として『作者を探す六人の登場人物』を著したルイジ・ピランデッロや、故郷サルデーニャ島を舞台にした小説で1926年にノーベル文学賞を受賞している、女流作家のグラツィア・デレッダなど国際的な作家が多い。(ピランデッロも1934年にノーベル文学賞を受賞している)
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