経過と問題点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/29 04:23 UTC 版)
まず、被災者が乗車する車両すべてを対象にした「被災者支援」と、トラック・バス等を対象にした「当面の復旧・復興支援」の2つが実施された。 しかし、対象区間のICで出入りすればその走行全体について無料となるため、本来の出発地・目的地が被災地でないトラックが後者の措置を利用し、対象区間の南端に位置する水戸IC・新潟中央IC・白河ICで転回することによりただ乗りすることが問題視された。開始当初の国土交通省の発表資料では、(利用全体が無料になるのは)速やかに実施するためであり、料金システムを改修後は対象区間走行分のみを無料とするとしていたが、それはなされないまま当初予定どおり8月31日を以って終了した。 被災者支援についても、本措置の利用者数が当初の見込みをはるかに超え、出口料金所で渋滞が発生したり、有料道路事業者の経営を圧迫したりするようになった。被災証明書は発行基準がなく、停電などの比較的軽微な被害であっても発行する市町村が相次いだためである(宮城県と福島県では、被災証明書の発行枚数が全世帯数を超えている。)。青森県道路公社と茨城県道路公社は、国からの支援がなければ継続できないとして、8月31日を以って被災者支援の無料措置も打ち切った。このような事態を受けて、対象者の絞り込みが検討され、12月1日から被災地以外へ避難している人のみを対象とする「避難者支援」に変更されることになった。 一方、復興のため人の往来を活発にするべく、被災者に限らない全車種を対象とする無料措置も検討され、2011年度第3次補正予算に250億円が計上された。10月21日、補正予算の概要とともに制度の概略が発表された(被災地支援、観光振興)。11月21日、補正予算が成立したことを受け、12月1日からの実施および詳細が発表された。これらは2012年3月31日までの実施となり、4月1日以降については2012年度予算に計上されず、実施されないこととなった。なお、福島第一原発事故に伴う避難者や津波被害で遠隔地に避難した被災者らについては、2012年4月以降も無料措置が継続されるよう検討されていたが、原発事故避難者のみに対象者を絞り、発着ICも原発周辺のICに限定されることになった(原発事故による避難者の支援)。2012年4月28日、対象者と対象ICの見直しが行われた。
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