経過と予後
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/07 16:47 UTC 版)
円錐角膜の典型的な経過を追うと、軽度の乱視を呈すことから始まる。これは通例、思春期の始まり頃であり、診断がつくのが10代終わりから20代始めである。稀には小児期に発症することや成人後遅れて発症することもある。発症が早いと、後の生活がより困難になるおそれがある。障害の経過は実に様々であって、数年以上も安定な状態を保つ症例もあれば、急激に進行する場合、安定している中で時折急な進行を見せる場合もある。多くの人は軽い状態でとどまっていることが多い。どんどん進行するのはたった5%である。一般的には、10から20年で進行し、そこで進行が停止するパターンが最も多い。 例では、角膜の膨大によって局所的なデスメ膜(角膜の内側にある層)の破裂が来されることがある。デスメ膜が修復される前に、前眼房から房水が進入する。患者は突然、疼痛と視野の曇りに襲われる。角膜は半透明な乳白色を呈し、これを「急性水腫」と呼ぶ。患者は狼狽するが、この症状の大部分は可逆性で、6-8週後には角膜は従前の透明性を回復する場合が多いが、白い混濁部位を残す場合もある。外科的方法をとるまでもなく、軟膏や眼帯によって回復は促進される。通常、急性水腫の発生は角膜表面の傷を増やすことになるが、時として患者の利益になることもある。円錐が平坦化し、コンタクトレンズのフィッティングがよくなる場合があるためだ。稀には、極めて重い症例において、角膜の菲薄化によって角膜自体が部分的に穿孔することがあり、液体が詰まったビーズのような小さな突起物が角膜表面に見られる。このような状態になっても、失明することはまずない。 以前は失明すると言われていたので緊急で角膜移植を行っていた。その後の研究により、失明することはまずないことがわかったので、角膜移植をする必要がないことが証明された。
※この「経過と予後」の解説は、「円錐角膜」の解説の一部です。
「経過と予後」を含む「円錐角膜」の記事については、「円錐角膜」の概要を参照ください。
- 経過と予後のページへのリンク