経済と自立に関する見解
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/23 05:59 UTC 版)
「ライサンダー・スプーナー」の記事における「経済と自立に関する見解」の解説
スプーナーは、人々が自立すれば従業員と分け合うのではなく、自分の労働の成果を十分に享受できるという恩恵があると考えた。自由市場に対して様々な形で政府が干渉することは、人々が自分で事業を始めることを難しくしていると論じた。一例として、高利率に対する法律、すなわち「高利」が借金を返済できないという高いリスクに対応させなくしているので、信用を広げようとしている資本家を妨げていると考えた。「もしある人がその労働を生かす自己資本を持っていなければ、それを信用で賄うことを認める必要がある。信用で賄うことができるようにするためには、余剰資本を持っていて彼に貸し付けられる人を説得できるような利率で契約することを認める必要がある。資本家は自然法に従って、その意志に逆らって資本を貸し付けることを強制させられない。それ故に利率を規制する法の全ては、その労働を生かす資本を得るための自然権の中でも、その人の自然の能力に対する専断的専制的な規制に他ならない。...高利法の効果は、最も認められやすい安全性を提供できる数少ない者達に、借金の権利の独占を許すことである。 スプーナーは、民間資金の発行に関する政府の規制が、信用で資本を得て独自の事業を始めようという個人にとって、それを異常に難しくしていると考えた。そのことで「彼等の大部分は飢えを凌ぐためにその労働力を他人に売るしか方法がなく」、他人を雇用できる者は、「自身が働くために必要な資本を持っていた場合に比べて、労働者が生み出す価値よりもはるかに少ない」給与を払えるだけという立場に置かれる。スプーナーは、「ひどく高い税がある。10%の税だ、通貨として発行された全ての紙幣に、アメリカ合衆国と国定銀行の紙幣以外に」と語り、それが信用の人工的な不足を生み、その税金が貸与できるはずの多量の金になるはずだった機会を排除していると論じた。「現在は数少ない経営者の手の中にあるが、多量の賃金労働者を雇用しているあらゆる種類の偉大な組織の全てが壊れてしまうことになる。資本を得て自分で事業を行う者はほとんど誰も、他人の賃金で働く者に満足しなくなる。」と語った。
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