精神障害者と芸術
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 09:28 UTC 版)
詳細は「アウトサイダー・アート」を参照 精神医学の牙城であったフランス・パリのサン・タンヌ病院では、1930年代から芸術に理解があり、ハンス・プリンツホルンの著書『精神病者の芸術性』(1922年)のドイツ語を読みこなしたガストン・フェルディエールやアンリ・エイが在籍した。 1936年のニューヨーク近代美術館における「幻想芸術、ダダ、シュルレアリスム」展では、プリンツホルン・コレクションや、ポール・エリュアールとアンドレ・ブルトンのコレクションの中の精神障害者の美術作品が展示された。1945年に、ガストン・フェルディエールは、ドゥニ・ピュエシュ美術館において、美術館にて初となる精神障害者の美術展を開催した。1967年には、ジャン・デュビュッフェのコレクションがパリの装飾美術館で展示された。1979年には、ロンドンのヘイワード・ギャラリーで「アウトサイダー・アート」展が開催された。 1981年に設立されたオーストリアのグギング国立精神病院の中にあるグギング芸術家の家は、2000年にはその生活風景が五十嵐久美子による映画『遠足Der Ausflug』となり、2006年には建物の一部が美術館に改修された。 1992年にロサンゼルス・カウンティ美術館にて「パラレル・ヴィジョン」展が開催され、翌年日本に巡回した。これは4か国を巡回した。日本においては、1993年に世田谷美術館における「パラレル・ヴィジョン」展によって本格的に紹介されている。これは、日本における障害者や幻視者の作品が紹介され、小笹逸男、草間彌生(くさまやよい)、古賀春江、坂上チユキ、福村惣太夫、山下清、吉川敏明、渡辺金蔵の作品が展示された。1995年には日本でエイブル・アートが提唱され、各地の福祉施設での活動が連携して大々的に展覧会が開催されるようになる。
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