箸蔵用水
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疏水の概要 |
■疏水の所在 徳島県三好郡池田町 西州津地区 (約 30ha ) ■所在地域の概要 当地域は、徳島県の西端部に位置する池田町の中心市街地と、一級河川吉野川を挟んで、対岸にある川沿いの丘陵地帯です。吉野川沿いの傾斜地に広がる農地では、水稲を中心に営農が行われており、現在は減ってきているものの、往年は「錦波の里」と誇った、町内でも有数の穀倉地帯でした。 ■疏水の概要・特徴 当箸蔵用水の歴史は古く、明治の時代までさかのぼります。明治30年に当土地改良区の前身である箸蔵普通水利組合が結成され、困難を極めた隧道開削工事を経て、明治32年に通水が始まりました。それまでは、二、三の小さなため池と、一、二の井戸しかなく、用水欠乏の集落で、飲み水などの生活用水にも苦労しておりました。明治27〜28年の大干ばつをきっかけに、3人の青年達が「大地に水を」と奮い立ち、決起しました。当初は、困難な事業がゆえに住民の理解が得られず、いくら必要性を訴えても変人扱いさ れ、取り合ってもらえませんでした。それでも青年達は、自力で行うべく、私財を投入し、工事に着手しました。隧道工事は、予想通り難工事を極め、幾度となく大崩落を経験しながらも、青年達の強固な意志ををもって、難関を突破し、5年を余る工事期間を経て、完成に至りました。工事が竣工に近づくにつれ、村民達の心も和らぎあらためて各家を訪問し、大部分の賛同を得ることができたと記されております。 |
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