管弦楽曲の吹奏楽編曲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/31 02:06 UTC 版)
元来管弦楽曲として書かれた曲が編曲されたものである。現在の吹奏楽レパートリーの中でも、大きな比重を占めている。 古くから、例えばモーツァルトやベートーヴェンの時代から、交響曲やオペラからの抜粋が当時盛んだった管楽合奏(ハルモニームジーク)のために数多く編曲され演奏されてきた。軍楽隊の整備が進む中において、行進曲をはじめとする実用音楽と並んで編曲作品は軍楽隊の重要なレパートリーとして頻繁に演奏された。たとえば野外での演奏など機動性や音量が求められる場面において吹奏楽は管弦楽の代用として重宝され、イギリスの近衛軍楽隊やギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団が、管弦楽小品の編曲を演奏し、また録音も行っている(これは現在に至るまで数回CD化されている)。現在においても多くの楽曲が編曲され、多くの団体によって演奏・録音されている。 一方、日本において、全日本吹奏楽コンクールをはじめとする吹奏楽コンクールにおいては、各種学校の楽団から市民バンドに至るまで多くのアマチュア団体が新しい吹奏楽編曲レパートリーを開拓している側面が存在する。 日本の学校教育(小学校・中学校・高等学校)の中では、管弦楽団を持つ学校は少数であるのに対して、吹奏楽団(吹奏楽部)がある学校は多い。バロックから古典、ロマン派、近代・現代へとつながる一連のクラシック音楽の流れに対し、近代吹奏楽編成が確立して以降の作曲作品しか持たない吹奏楽においては、近代以前の音楽に触れる意味でその演奏曲目としての吹奏楽用編曲は重要である。
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