第一幕後半
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第2の10ページセットアップが終わった後の「第2の10ページ」(開始10-20分) では、主人公に焦点が当てられる。セットアップが「主人公が誰で、何をするストーリーなのか」を明確にしたのに対し、ここでは、「主人公はどのような人物なのか」ということが中心になる。主人公の人生の「ある1日」が示され、主人公のキャラクターや人間関係がより明らかになる。この1日は、狭い意味での「日常の1日」である場合もあれば、そうでない場合もある。主人公は行動的、決断的で、ほぼ全てのシーンに登場し、また、最初の10ページ (10分) の設定に応じて行動する。なおかつ、この間のストーリーは、第一幕の終わりのファースト・ターニングポイントに向かって広がり、前に進む。 『アナと雪の女王』('13) では、セットアップ (pp. 1-11., 前述) の直後に、戴冠式の1日が描かれる。戴冠式の日の朝、宮殿の門が開放され、昼にアナのミュージカル・パートが始まる。このインサイティング・インシデント (pp. 12-17., 前述) に続いて、アナのハンス王子との出会い (pp. 17-19, 24-28.) や、エルサの魔力の発覚しそうになる戴冠の儀式 (pp. 19-20.) があり、夜の舞踏会でのファースト・ターニングポイント (pp. 35-36., 後述) に至る。主人公のアナは、そのうち合計24ページに登場しており、登場していないのは最初の1ページのみである (pp. 12-36.)。 第3の10ページ第2の10ページに続く「第3の10ページ」(開始20-30分) は、主人公をめぐる問題が具体的に何であるのかを、1つか2つ程度のシーンで明かし、その結果として起こるファースト・ターニングポイントで終わる。『アナと雪の女王』('13) では、ファースト・ターニングポイント (pp. 35-36., 後述) の直前、アナのハンス王子との突然の婚約に怒ったエルサが、秘密にしていた魔法を使ってしまい、山地へ逃亡する (pp. 29-32.)。王国は魔法の暴走によって寒波に襲われる (pp. 33-34.)。続くファースト・ターニングポイントにおいて、アナは雪山にエルサ女王を追って宮殿を出る (pp. 35-36., 後述) 。また、『シンデレラマン』('05) では、主人公のボクサーが、1シーン目で試合前に利き手の痛みを感じ、2シーン目には試合中にその手を複雑骨折し、それにより、3シーン目のファースト・ターニングポイントで、ボクサーとしてのライセンスをはく奪される。
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