空気の物性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/26 06:15 UTC 版)
乾燥した空気1 Lの重さは、セ氏0度、1気圧(1 atm)のときに1.293 gである。1 Lで1 gというと一見小さいようであるが、垂直に数十kmも積み重なることで、地表付近の空気には大きな重さ(圧力)がかかる。1気圧は1.033 kgf/cm2なので、地表では1 cm2あたりおよそ1 kgの物体が乗っているような力が圧力として加わっている。1平方メートルあたりでは10トン、つまり土砂を積んだダンプカーが乗っているような大きな力になる。これは月と違って地球には厚い大気の層があるためであり、地表付近ではこの圧力のために空気は密集した状態になっていて、真空状態とは違ったさまざまな影響がある。 (例) 風速、つまり空気の移動速度が大きくなるにつれ、衝突する空気の総量が増え、大きな風圧が生じることになる。帆船、ヨット、ウィンドサーフィンなどはこれを利用して大きな推力を得ているわけであるし、台風などでは巨大な破壊力となる。 また、空気は流体であり、空気の中を進む物体には揚力や抗力(空気抵抗)が生じる。鳥や飛行機の翼は大きな揚力を得ることで空気中を飛揚する。 密度(0 ℃ 1 atm) 1.293 kg/m3 平均モル質量 28.966 g/mol 熱膨張率(100 ℃ 1 atm) 0.003671 /K 常温、常圧の空気はほぼ理想気体として振る舞い、t [℃]における空気の密度ρ [kg/m3]は、大気圧をP [atm]、水蒸気圧をe [atm]とすると、 ρ = 1.293 P 1 + t / 273.15 ( 1 − 0.378 e P ) {\displaystyle \rho ={\frac {1.293P}{1+t/273.15}}\left(1-{\frac {0.378e}{P}}\right)} と表せる。 また、セ氏0度、1気圧の乾燥空気における音速は331.45 m/s、セ氏15度では約340 m/sである。 1気圧における近似的な値だが、乾燥空気の熱伝導率はセ氏0度 - 25度の間で約0.024 W・m-1・K-1 とほとんど変わらない。 また、1気圧の乾燥空気の電気伝導率(導電率)はエアロゾルの量により大きく変わり、2.9×10−15(エアロゾル濃) - 7.88×10−15(エアロゾル薄) Ω-1・m-1(または S/m)程度であるという研究報告がある。
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