積極的勧奨の中止
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 15:11 UTC 版)
「ヒトパピローマウイルスワクチン」の記事における「積極的勧奨の中止」の解説
2013年6月14日の専門家会議では、接種後原因不明の体中の痛みを訴えるケースが30例以上報告され、回復していない例もあるとして、厚生労働省は定期接種としての公費接種は継続するものの、全国の自治体に対して積極的な接種の呼びかけを中止するよう求めた。接種を希望する場合は、市区町村の担当部署に自ら連絡し書類の交付を受ける必要があり、呼びかけ中止により、70%程度あった接種率は1%未満に激減した。この判断は、医学的統計的根拠に基づかず、世論に寄り添う日本の政策決定であるとして、世界から非難されることになった。 日本の産婦人科医が、自分の娘にワクチンを接種したかについては、50人超の調査から、2014年では0だったが2017年には16.1%であった。2017年9月までに295人が、HPVワクチン接種との因果関係が否定できないとして、予防接種健康被害救済制度の対象となった。 MSDの広報部門を統括する執行役員は2014年に取材で子宮頚がんの死亡者は高齢者である一方、ワクチンで人生を台無しにされる少女を比較した質問に対し、多様な症状に苦しむ少女に大変なことと共感を示しながら、子宮頸がんにより女性には子宮切除や不妊、後遺症の問題があるため予防手段として個人判断になるが接種の機会が与えられるべきではないかと答えている。 2019年9月現在、定期接種対象者は16歳の女性までとなっている。9月中に接種を開始しないと、当該年度中に3回接種が完了せず任意接種(自費)となってしまうため、注意喚起がなされている。2013年6月の厚生労働省勧告を受けて、地方公共団体は積極的に接種を薦めることを控えているため、他の定期接種ワクチンとは異なり、郵送による一斉通知をしていない。接種を希望する者は、住民票のある区市町村役場に問い合わせ、接種券・予診票を入手する必要がある。2021年1月現在、厚生労働省はる定期接種の対象者及びその保護者へ個別送付による情報提供を実施するよう自治体に周知している。東京都港区では令和2年度から、高校1年生相当年齢の女子及び保護者に厚生労働省作成のリーフレット等の個別通知を送っている。
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