積極的な世論喚起
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「ルイーズ・ワイス」の記事における「積極的な世論喚起」の解説
一方で、すでに1896年にレオン・リシェとマリア・ドレームにより結成された女性の権利同盟(フランス語版)を中心にユベルティーヌ・オークレール、マルグリット・デュラン、マドレーヌ・ペルティエ、マリア・ヴェローヌらが「女性は納税している以上、投票すべきである」という標語を掲げて参政権運動を展開し、1898年にドレフュス派により結成された人権連盟も会長セシル・ブランシュヴィック(フランス語版)らが運動を牽引していたが、ワイスはこれらのフランスのフェミニストは英米のフェミニストに比べて消極的すぎると批判し、使徒パウロの『テモテへの手紙』から「女は静かにしてよく従う心をもって教えを受けなさい。私は、女が教えたり男を支配したりすることを許さない。ただ、静かにしていなさい。・・・アダムが初めに造られ、次にエバが造られたからである。また、アダムは惑わされなかったが、女は惑わされ、あやまちを犯した」という節を引用し、フランス人女性はカトリックの母、祖母、大叔母から女性は従わなければならないという「諦めを学んだのだ」と主張した。さらに、より強い世論喚起と政治的働きかけが必要であると考えていたワイスは、「フェミニズムを現場に投げ込まなければならない。説教をする代わりに興味を湧かせる活動をし、次から次へと世論を喚起し・・・要するに女性のことで国全体が熱くなるようにしなければならない」と主張し、1) シャンゼリゼ大通りに「新しい女性」の店舗を開店し、女性参政権のある国を示した地球儀を販売する、2) 女性パイロットのアドリエンヌ・ボーラン、マリーズ・バスティエ、エレーヌ・ブーシェの協力を得て、女性に「自己実現の夢を抱かせる」ために航空ショーを開催する、3) ブルボン宮殿(国民議会)前の広場でデモを行い、メガホンを使って議員に女性参政権を訴える、4) ヴィエンヌ県選出の元老院議員・反フェミニストのレイモン・デュプランティエ(フランス語版)の自宅前で抗議デモを行う、5) 国民議会で、議員の胸に忘れな草の花を付け、一部の議員の協力を得て議事堂内に入り込み、最古参議員の演説の後、女性参政権を訴えるプラカードを掲げる、6) 元老院で議員に「女性に選挙権を与えても、これまで通り靴下の穴は繕ってもらえます」と書かれた靴下を手渡したり、傍聴席から投げたりする、7) ロンシャン競馬場でレースが行われる直前に、持参した折りたたみ椅子を使って柵によじ登り、場内に入って女性参政権を訴えるポスターを掲げるなど、メディアで取り上げられるような派手な活動を次々と組織した。
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