種組成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/01/01 07:25 UTC 版)
各層を構成する種をそれぞれに列記する。つまり層別にその区画に生育する種全部を記録する。なお、それぞれの植物がどの層に属するかは、それぞれの個体の一番高いところに達している位置で判断する。たとえば高木の根元から低木層の高さに横枝が出ていても、この木は高木層に含める。また、同種の芽生えが生えていた場合には、こちらの個体は草本層に含まれる。なお、この時調査の対象とするのはほぼ維管束植物、つまりシダ植物と種子植物に限られる。コケ植物は普通は調査の対象とはしない。これは、植物学者がコケ植物を視野の外に置いているから、というだけのものでもなく、森林の構造を作る主体がこれらの植物である、との判断も含まれている。 これだけでは単なる種名リストであり、それぞれの量的関係や、繁殖の様子が分からない。例えばたまたま生えた一本の芽生えとその区画に一面に繁茂しているものとが同等になってしまう。そこで、その繁殖の様子や量を示必要がある。そのためにブラウン・ブランケの方法では以下の二つの基準を用いる。これらはいずれも5段階の階級で表示する。 被度(ひど):種別の植被率を階級で示したもの。コドラート内において、その植物がその層でどれだけの面積を占めているかを示す。5:75-100% 4:50-75% 3:25-50% 2:10-25% 1:1-10% +:1%以下 群度(ぐんど):どのような状態で群落をつくっているか、あるいは単独で存在するかなどを示す。5:大きなマット状で全域を覆う 4:パッチ状または切れ切れのマット状 3:大きな群を作る 2:小さな群を作る 1:単独で生える この両者を並べて記録し、例えばコジイの二次林では往々にして高木層がほとんどコジイで占められるから、コジイが5・5である。高木層では単独木であってもある程度まとまった面積を持つから小さくても1・1までくらいしかならず、+はあまりつけない。林床に単独で生ずるもの、たとえばコクランは+1(1は略することも多い)である。
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