神話論的な起源とは? わかりやすく解説

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神話論的な起源

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/12 08:31 UTC 版)

メー」の記事における「神話論的な起源」の解説

メーは、もともとはメソポタミア神話の神エンリルによって集められエンキ保護のもとに引き継がれエンキによって、彼の守護するエリドゥをはじめ、ウル、メルーハ(Meluhha)、ディルムンなど、様々なシュメール文明中心都市仲介された。「エンキ世界の秩序」という詩には、いかにしてエンキ様々な技術自然現象に対してもっている責任範囲下位神々分配するかについて、詳細に記されている。詩の中の様々な箇所においてメー称えられているが、それが何なのかは明確に特定されているわけではなく、またメー司る範囲は、それぞれ別個のものであり、場所別の属性も持つことから、メソポタミア神話それぞれの神々のもつ責任範囲とは異なるものでもある。詩中エンキ自己賛美ひとしきり終わった後の箇所で、彼の娘のイナンナ彼の前に現れ自分のもつ神としての影響範囲比して扱いが軽すぎるとの不満を述べたエンキは、イナンナ怒り静めるため、彼女が自らのもつ実際の力がいかなるものかに焦点をあて最善説得尽くした。 この詩との間に神話の上での直接の関係はないが、「イナンナエンキエリドゥからウルクへの文明の術の移転」という文献にも、メーに関する記述があり、そこでも再びイナンナの不満が主題として扱われている。イナンナは、ウルク守護神であり、エンキ守護神となっているエリドゥからメー持ち帰ることによって、影響力栄誉高めることを望んでいた。イナンナは、エリドゥにあるエンキ寺院であるエアプス(E-abzu)を訪れイナンナの「天上の舟」の中でエンキが酒の酔い回ってきたところで、メーを渡すよう頼んだところ、エンキすぐさま応じたイナンナ別れた後、エンキは我に返りメーがいつも在るところから失われていることに気付き自分何をしていたかを知らされると、イナンナからメー取り返すことを企てた結局企て失敗しイナンナメーウルク持ち帰ることができた、とある。 メーいかなる形を取るものかは定かではないが、何らかの物理的実体を伴うものと考えられる。「エアプス」の特定の場所に収められていたのみならず王冠のように被ったり、衣装のように纏ったり、玉座のように坐ったりすることができ、イナンナが「天上の舟」でウルク到着した後に彼の地人々見せることができたからである。楽器のように、物理的な実体であったものもあるが、多くは「籠編みのような技術であったり、「勝利のような抽象的概念であったりした。 どのようにメー保管されたり、扱われたり、見せられたりしたのかは、詩の中で明らかにされていないまた、すべてのメー良い属性をもっているわけではない。「英雄であること」や「勝利」と並行して、「都市の破壊」、「うそ」、「憎しみ」が見られるシュメール人々は、このような悪・罪を人間性のもつ、神聖かつ不可解で、避けがたい運命とらえており、疑問さしはさむことはなかったようである。

※この「神話論的な起源」の解説は、「メー」の解説の一部です。
「神話論的な起源」を含む「メー」の記事については、「メー」の概要を参照ください。

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