研究グループの発足
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「腹びれイルカ (はるか)」の記事における「研究グループの発足」の解説
鯨類進化史上“最大の謎”である後ろ足の消失の解明を目指し、または、鯨類ひいては哺乳(ほにゅう)類の起源の解明のため、東京海洋大学、三重大学、東京大学、慶応大学、順天堂大学と国立遺伝学研究所、及び、くじらの博物館の研究者ら計15人が研究チームを組んだ。鯨類の研究者らや博物館幹部などが集まり、「はるか研究プロジェクト運営委員会」が発足した。 2008年5月7日、東京海洋大学において、加藤秀弘教授らにより、腹びれを持つバンドウイルカ「はるか」に関する初の研究プロジェクト運営委員会が開かれた。委員会は、加藤教授が委員長を務め、日本鯨類研究所の大隅清治顧問、くじらの博物館の林克紀館長、沖縄美ら海水族館の内田詮三館長らの委員で構成された。また、委員会は、研究チームを4つに細分化し、チームはそれぞれ、成長する環境を整え飼育管理し繁殖を目指す「生理繁殖研究グループ」、正常な個体と行動を比較観察する「行動機能研究グループ」、DNA解析により、腹びれの退化過程を研究する「遺伝研究グループ」、腹びれやそのほかの体の構造を研究する「形態研究グループ」が設置された。 この日、加藤秀弘教授は、次のように述べた。 胎児時代になくなるはずの後ろ脚が引っ込まず、そのままひれに変化したと私は考えているが、委員会内でも退化の突然変異など意見は分かれている。 そして、加藤秀弘教授は、「いろいろな意見が集まるよう、優秀な研究を世界中から公募したい」とも語った。 2010年4月、クジラ類の進化の過程を研究する加藤秀弘教授は、今までに、腹に後ろ脚の痕跡がみられるクジラ類は世界で8例の報告があるが、多くが小さな突起状(棒状)の痕跡だけの個体であり、「はるか」は手のひら大の腹びれがはっきりと観察でき、後ろ脚が完全なひれの形で確認されたのは、はるかが初めてで、また生体として発見された例も初めてであるという主旨を述べた。一方で、加藤教授は、「はるか」の腹びれについて「先祖が持っていたものが現れたのではない。胎児のころは後ろ脚があり数週間でなくなるが、遺伝子の突然変異で失われずに発達し、新たな進化を遂げたのではないか」とも推測する。そして、「進化の過程を解明するには第2世が必要で、親子のDNA解析からメカニズムを解明できるはず」とも語った。
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研究グループの発足
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/05 20:34 UTC 版)
「はるか (イルカ)」の記事における「研究グループの発足」の解説
鯨類進化史上“最大の謎”である後ろ足の消失の解明を目指し、または、鯨類ひいては哺乳(ほにゅう)類の起源の解明のため、東京海洋大学、三重大学、東京大学、慶應義塾大学、順天堂大学と国立遺伝学研究所、及び、くじらの博物館の研究者ら計15人が研究チームを組んだ。鯨類の研究者らや博物館幹部などが集まり、「はるか研究プロジェクト運営委員会」が発足した。 2008年5月7日、東京海洋大学において、加藤秀弘教授らにより、腹びれを持つバンドウイルカ「はるか」に関する初の研究プロジェクト運営委員会が開かれた。委員会は、加藤教授が委員長を務め、日本鯨類研究所の大隅清治顧問、くじらの博物館の林克紀館長、沖縄美ら海水族館の内田詮三館長らの委員で構成された。また、委員会は、研究チームを4つに細分化し、チームはそれぞれ、成長する環境を整え飼育管理し繁殖を目指す「生理繁殖研究グループ」、正常な個体と行動を比較観察する「行動機能研究グループ」、DNA解析により、腹びれの退化過程を研究する「遺伝研究グループ」、腹びれやそのほかの体の構造を研究する「形態研究グループ」が設置された。 この日、加藤秀弘教授は、次のように述べた。 胎児時代になくなるはずの後ろ脚が引っ込まず、そのままひれに変化したと私は考えているが、委員会内でも退化の突然変異など意見は分かれている。 そして、加藤秀弘教授は、「いろいろな意見が集まるよう、優秀な研究を世界中から公募したい」とも語った。 2010年4月、クジラ類の進化の過程を研究する加藤秀弘教授は、今までに、腹に後ろ脚の痕跡がみられるクジラ類は世界で8例の報告があるが、多くが小さな突起状(棒状)の痕跡だけの個体であり、「はるか」は手のひら大の腹びれがはっきりと観察でき、後ろ脚が完全なひれの形で確認されたのは、はるかが初めてで、また生体として発見された例も初めてであるという主旨を述べた。一方で、加藤教授は、「はるか」の腹びれについて「先祖が持っていたものが現れたのではない。胎児のころは後ろ脚があり数週間でなくなるが、遺伝子の突然変異で失われずに発達し、新たな進化を遂げたのではないか」とも推測する。そして、「進化の過程を解明するには第2世が必要で、親子のDNA解析からメカニズムを解明できるはず」とも語った。
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