直接形燃料電池 (DFC)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 12:40 UTC 版)
「燃料電池」の記事における「直接形燃料電池 (DFC)」の解説
直接形燃料電池(DFC, Direct Fuel Cell)は、改質器を介さずに燃料を直接セルスタックに供給する形式で、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル、ヒドラジン、ホルムアルデヒド、ギ酸、アンモニア等を使用するものが試みられてきた。つまり、DFCは燃料電池それ自身の方式を指す言葉ではない。固体酸化物形燃料電池は全てDFCに属する。燃料として用いる物質に炭素が含まれている場合、反応(発電)によって二酸化炭素が生成して排出される。そのため、アルカリ性水溶液の電解質は炭酸塩を生成するので使用できない。ヒドラジンのような還元性の燃料を使用する場合には貴金属の触媒が不要になるため、貴金属フリー液体燃料燃料電池として注目される。燃料供給ポンプや放熱ファンを使うか否かで、パッシブ型とアクティブ型に区分される。燃料極の白金に反応中間体である一酸化炭素が強吸着(被毒)してしまい反応速度が遅く、水溶性の高い燃料を用いた場合では燃料のクロスオーバーが起こるため、電力・発電効率とも低いが小型軽量のものが作れる。直接形メタノール燃料電池(DMFC)では、数十mW-10W程度の小規模小電力発電に適している。これらは小型携帯電子機器の電源としての用途が考えられている。一方で設置型には1kw級の発電能力を有する物もある。
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