直接払いの原則(ちょくせつばらいのげんそく)
直接払いの原則
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 09:17 UTC 版)
使用者は労働者に対して原則として直接賃金を支払わなければならない。これは中間搾取の排除が本旨である。 労働者本人以外の者に賃金を支払うことを禁止するものであるから、労働者の親権者その他の法定代理人に支払うこと、労働者の委任を受けた任意代理人に支払うことは、いずれも第24条違反となる。労働者が第三者に賃金債権受領権限を与える委任・代理等の法律行為は無効となる(昭和63年3月14日基発第150号)。労働者が未成年者であっても、独立して賃金を請求することができ、親権者又は後見人は、未成年者の賃金を代って受け取ってはならない(第59条)。労働者が賃金債権を譲渡(民法第466条)した場合でも、譲受人に支払うことは許されない(小倉電話局事件、最判昭43.3.12)。 直接払いの原則には次のような例外がある。 労働者の使者に対して支払う場合(昭和63年3月14日基発第150号。これは、使者に払っても法律違反に問わないという程度のもので、使者に支払わないことが法律違反になるということではない)。 賃金が労働者の指定する金融機関に対する労働者の預貯金・預り金へ振り込み又は払い込まれる場合(会社が一方的に振込先金融機関を指定することは第24条違反となる)。 派遣中の労働者について、派遣元の使用者からの賃金を派遣先の使用者が労働者本人に対して手渡すことだけであれば、第24条違反とはしない(昭和61年6月6日基発333号)。
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