直接技法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/13 15:37 UTC 版)
モザイク構成の技法のうち、直接技法は、テッセラ(tessera、モザイクを構成する小さな角片で、古代には小石、ギリシャ、ローマ時代には大理石など、後にガラスや陶などで作られている)を一個ずつ、モザイクで覆う面に直接接着剤などで貼り付けてゆくものである。この方法は壷や花瓶など、三次元の立体的な表面に向いて 直接技法は、壁画などの絵画的表現に大変向いている。その他の優れた点は、モザイクが出来上がるプロセスを管理しながら作品を完成出来ることにある。特に、ズマルトや他のガラス素材の大画面で重要な、視点の位置や視点の移動に伴う画面を構成するテッセラの位置や角度、そして色彩を自由にコントロールできることにある。また持ち運びできるような小さな作品作りに向いている。 しかし欠点は、作業する壁面の前で直接作業しなければならないことで、長期間にわたる作業には不向きなことである。それゆえ大規模な作業には向いていない。また、大きくなればなるほど完成したモザイクの平らさをコントロールすることが困難になる。これは特に、テーブルや床などのモザイクの制作ではきわめて重要になる。 現代の直接技法は、二重直接技法(Double Direct)とも呼ばれるもので、ガラス繊維でできたメッシュにモザイクを直接貼ってゆく技法である。モザイクは三次元の表面上で望む向きに合わせて徐々に作られ、最後にメッシュごと、モザイクで飾る予定の面に移す。大きな作業もこの方法で行い、モザイクを貼ったメッシュは運送のために一旦細かく切られ、現地での設置の際に再び組み合わされる。この方法だと、職人はモザイクを貼る現地でなく、快適なスタジオやアトリエで作業ができる。
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