盗難預金通帳等を用いた無権限者への払戻し(対面処理)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/26 18:12 UTC 版)
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第三者が不正に入手した預金通帳を持参し、また、登録されたものと同じ印影が捺された払戻請求書を提示して、金融機関がこれに応じた場合、判例では無権限者への預金払戻しを有効な弁済と認めて、真の預金者はもはや預金払戻請求権を失うとしている。この判断の中では、 真正な通帳を持参・提示している 払戻請求書に捺された印影を照合して相違が認められない 普通預金の払戻しでは、平面照合で相違が認められない ことを指摘して無権限者による払い戻しを排除するべく注意義務を果たしたと認める。 一方で、金額の多寡(著しく多額であるとか、預金の全額であるなど)、通常の取引との相違(通常に比べて多額の取引であるとか、通常は取引がない日であるなど)、取引時刻(開店直後や閉店間際の慌ただしい時刻を狙い、本人確認等がおろそかになるのを狙う)、通常取引のない店舗である(取引実績がない、自宅や職場からかけ離れている)の点は、直ちに不審を抱く要因にはならず、弁済の有効性を失わせるものではないとしている。 なお、定期預金の払戻しの場合には、より慎重な本人確認が求められる。判例では、預金者と来店者の素性が異なる場合には権限者の確認を重ねて行うべきであり、それを怠って無権限者に払戻した場合は無効として、預金の回復を命じている。一方で、普通預金の場合には流動性を重視し、家族が代わりに下ろしに来る事は珍しくなく、例えば熟年男性の預金口座から若年男性が預金を下ろしても、直ちに不審を抱くべきとは言えない、としている。
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盗難預金通帳等を用いた無権限者への払戻し(機械処理)
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「善意支払」の記事における「盗難預金通帳等を用いた無権限者への払戻し(機械処理)」の解説
無権限者がATMに盗難通帳を挿入して払戻しを受けた件につき、民法478条の適用が争われた。最高裁平成15年4月8日第3小法廷判決・民集57巻4号337頁・最高裁判例情報)に示されるところでは、非対面、すなわち機械払いであることをもって同条の適用は否定されないとしている。併せて、機械払いによる無権限者への払戻しに民法478条の適用を主張するには、オンラインシステム全体について、無権限者による払戻しを排除するように注意義務を果たすことが必要とした(金融庁によるまとめ)。 ただし、本件については、預金通帳で機械払いを行えることが約款に明記されていなかった点を指摘し、無権限者による払戻しを排除するべく注意義務を果たしていないとして、その不備を理由に無権限者への弁済を無効としている。
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