発見・捕獲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 03:05 UTC 版)
「上野動物園クロヒョウ脱走事件」の記事における「発見・捕獲」の解説
同日午後2時35分になって、上野公園の職員が東京府美術館(後の東京都美術館)と当時の公園事務所があった二本杉原という場所の間の小道にあるマンホールの下で、暗がりに光るクロヒョウの目を見つけた。この知らせを受けて、捕獲作戦が実行された。クロヒョウが暗渠の先に逃げないように、次のマンホールの下を障害物で塞いで退路を断った。 暗渠の大きさに合わせて板の盾を作り、トコロテンを押し出す要領で暗渠内のクロヒョウを追い詰める計画を立てた。盾の中央部には穴をあけて、その穴に重油のたいまつを差し込んでクロヒョウを追い詰めるとともに煙でいぶし出すという作戦であった。この盾を押す役を受け持ったのは、上野動物園のボイラー係を務めていた原田国太郎であった。7月26日付の読売新聞記事は、原田は横須賀の重砲隊にいた頃に手に負えない荒馬を乗り鎮めて癖馬矯正大会で1等賞を獲得した経験があり、谷中地区の草相撲で大関を張っていると紹介している。 クロヒョウが発見されたマンホールの入り口は、蓋を外して代わりに檻を設置し、さらにその上を網で覆った。原田は足跡が見つかった暗渠部の入り口から暗渠内に入り込み、盾を押しながら奥へと進んでいった。逃げ場を失った上に煙でいぶされたクロヒョウは、ついにマンホールから飛び出し、午後5時35分に捕獲された。脱走発覚から捕獲まで約12時間半が経過し、クロヒョウも人間側にも全く被害は出なかった。
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