発見、復元と分類
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汎節足動物 ?A パウキポディア 様々な葉足動物(側系統群) ?B パウキポディア 様々な葉足動物(側系統群) 有爪動物(カギムシ) 緩歩動物(クマムシ) 様々な葉足動物(側系統群) 節足動物 系統解析に示されるパウキポディアの様々な系統的位置A: 独立した別系統 B: 有爪動物の初期系統 多くの葉足動物と同様、汎節足動物におけるパウキポディアの系統的位置は不確実で、系統解析によっては一部の葉足動物と共に有爪動物(カギムシ)のステムグループ(絶滅した初期系統群)に含まれる、もしくはそこから独立した別系統(基盤的な汎節足動物)とされる。パウキポディアの単調な姿は、基盤的な汎節足動物の祖先形質を反映(原始的)、もしくは甲皮が二次的に退化した結果(派生的)と解釈される。 パウキポディアは Chen et al. 1995 で Maotianshan shale 由来の化石標本を基に最初に記載されたが、当時は6対の脚と体の太い端のみ発見されており、脚の総数は6対で少なく、太い端は頭部と解釈された。Chen et al. 2002 では海口由来の新たな化石標本が記載されたが、9対の脚をもつため、従来の模式種 Paucipodia inermis とは別の新種 Paucipodia haikouensis として区別された。Hou et al. 2004 ではパウキポディアに対して全面的な再検討を行われており、Chen et al. 1995 の6対の脚をもつ標本は頭部を欠けた不完全なもの、Chen et al. 2002 に P. haikouensis として区別された脚9対の標本は P. inermis の全身、Chen et al. 1995 に頭部と解釈された太い端は尾部、本当の頭部は全身標本の細い端に当たると示された。Liu & Dunlop 2013 は Hou et al. 2004 の見解を否定し、Chen et al. 2002 の2種説を支持していたが、1種説の方がそれ以降の文献記載に広く認められる。
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発見、復元と分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 05:46 UTC 版)
汎節足動物 *様々な葉足動物(側系統群) ? *ルオリシャニア類 ルオリシャニア コリンシウム オヴァティオヴェーミス ファシヴェーミス アシノクリクス コリンソヴェーミス *アンテナカンソポディアなど 有爪動物(カギムシ) 緩歩動物(クマムシ) *シベリオン類など 節足動物 ルオリシャニアの系統的位置(*:葉足動物) ルオリシャニア類の葉足動物(1:コリンソヴェーミス、2:ルオリシャニア、3:オヴァティオヴェーミス、4:ファシヴェーミス) 葉足動物の中で、ルオリシャニアはルオリシャニア類(luolishaniid、ルオリシャニア科 Luolishaniidae もしくは ルオリシャニア目 Luolishaniida)の模式属(タイプ属)である。ルオリシャニアと共にこの類に含まれる葉足動物は、コリンシウム、オヴァティオヴェーミス、コリンソヴェーミスなどが知られている。この類自体は他の多くの葉足動物と同様、汎節足動物における系統的位置は不確実で、系統解析によっては有爪動物の初期系統(ステムグループ)に含まれる、節足動物の初期系統に含まれる、もしくはそこから独立した別系統の汎節足動物とされる。 詳細は「ルオリシャニア類」および「葉足動物#分類と進化」を参照 ルオリシャニアは Hou & Chen 1989 で環形動物と節足動物の中間型生物として最初に記載され、1990年代以降では葉足動物に分類されるようになったが、2000年代後期以前では Maotianshan shale 由来の不完全な化石標本のみ知られるため、眼と触角はなく、胴節と脚もほぼ同じ構造の繰り返しという単調な姿に復元された。Liu et al. 2004 では海口由来の新たな化石標本が記載され、Maotianshan shale 由来の標本によく似たものの、従来の模式種 Luolishania longicruris の標本に見られない特徴(触角・眼など)をもつため、別の新属(ミラルオリシャニア)新種 Miraluolishania haikouensis として区別された。しかしこの区分は Ma 2005 と Ma et al. 2006 をはじめとして疑問を掛けられ、ミラルオリシャニアとして区別された標本はルオリシャニアの全身、すなわち両種は同種(シノニム)ではないかと疑われる。この見解は Ma et al. 2009 で進められ、海口由来の新しい化石標本にあわせて全面的な再検討を行われた所、ミラルオリシャニアはルオリシャニアのジュニアシノニム(無効の異名)とされるようになり、ルオリシャニアの復元像がそれにあわせて大幅に更新され、長い棘・羽毛状の脚などという多くの新しい特徴も発見された。Liu et al. 2008 と Liu & Dunlop 2013 はこのシノニム化を否定し、両者の相違点は保存状態の完全度の違いによるものではなく、別属別種を表す特徴だと主張していた。しかし、両者は同種という見解の方が、2010年代以降の文献記載に広く認められる。
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