発見と構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/06 01:49 UTC 版)
「ATP感受性カリウムチャネル」の記事における「発見と構造」の解説
KATPチャネルは野間昭典のグループによって心筋細胞で最初に同定された。彼らはインスリンの分泌を制御する膵臓でもこのチャネルを発見したが、実際に細胞膜に広く分布している。sarcKATPは8つのタンパク質サブユニットからなる八量体である。これらのうちの4つは内向き整流カリウムチャネル(英語版)ファミリーKir6.x(Kir6.1(英語版)またはKir6.2(英語版)のいずれか)であり、他の4つはスルホニルウレア受容体(SUR1(英語版)、SUR2A(英語版)、SUR2B)である。Kirサブユニットには2つの膜貫通領域が存在し、チャネルのポアを形成している。SURサブユニットにはさらに3つの膜貫通ドメインが存在し、細胞質側に2つのヌクレオチド結合ドメインを持つ。これらはヌクレオチドを介したカリウムチャネルの調節を可能にし、代謝状態のセンサーとしての役割に重要である。これらのSURサブユニットはスルホニルウレア、MgATP(ATPのマグネシウム塩)や他のいくつかのチャネル開口薬に対する感受性がある。すべてのsarcKATPはこの4:4の比の8つのサブユニットから構成されているが、それらの正確な組み合わせは組織によって異なる。 mitoKATPは、ミトコンドリア内膜の単一チャネル測定によって1991年に初めて同定された。mitoKATPの分子構造はsarcKATPほど理解は進んでいない。一部の報告では、心臓のmitoKATPはKir6.1とKir6.2サブユニットから構成されるが、SUR1やSUR2を含まないことが指摘されている。より近年では、コハク酸デヒドロゲナーゼを含む多タンパク質複合体がKATPチャネルに類似した活性を示すことが発見されている。 nucKATPの存在は、単離された核膜断片が細胞膜のKATPチャネルと同様の速度論的・薬理学的性質を持つことから確認された。
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